Hyperliquidのデータから読むオンチェーン先物の需要構造
2026年09月15日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- 事前整理:Hyperliquidの構造
- 90日間の全体動向:出来高の約4割がすでに「クリプト以外」
- 銘柄別に見る
- 土日の取引:週末需要の実態は「株式」「プレIPO」にある
- プレIPO先物:規模は小さいが、構造的に新しい
- 予測市場(HIP-4):期待先行で、規模はまだ1000分の1
- 総括
前提
今回は、Hyperliquidの公開APIから取得した直近3ヶ月(2026年6月16日〜9月13日の90日間)のオンチェーンデータをもとに、現在オンチェーン先物市場にどのような需要があり、どのセグメントで取引が活発なのかを整理します。
想定読者は投資家および金融機関関係者で、Hyperliquid特有の需要構造と制度設計の理解に主眼を置きます。
分析手法については、本稿の時系列データは公式API(api.hyperliquid.xyz)から主要46銘柄の日次ローソク足を取得し、約定価格ベースの想定元本に換算して集計したものです。全上場銘柄(先物約370銘柄)ではなく出来高上位のサンプルベースである点、またオンチェーンの出来高にはポイント施策等のインセンティブに誘引された部分が含まれうる点にご留意ください。
事前整理:Hyperliquidの構造
データに入る前に、金融機関の関係者向けに構造を整理します。Hyperliquidは、オンチェーンに板(セントラル・リミット・オーダーブック)を持つデリバティブ取引所です。無期限先物(perp)・現物・予測市場を単一の証拠金口座で横断的に取引でき、決済通貨は基本的にUSDCです。直近30日のperp出来高は約1,726億ドル、月間アクティブトレーダーは約27.4万人で、オンチェーンperp市場の最大手です。
設計上の特徴は3点あります。
第一に、HIP-3(ビルダーデプロイ市場)です。50万HYPE(執筆時点の価格で約4,000万ドル相当)をステークした事業者は、Hyperliquidのインフラ上に独自の先物市場(株式、コモディティ、未上場株、理論的にはその他何でも)を開設できます。市場開設枠は31時間ごとのダッチオークションで配分され、デプロイヤーは自市場の取引手数料の一部を受け取ります。通常の金融市場の言葉で言えば、上場審査と取引所免許を「ステーク(担保)+オークション」で代替した制度です。悪質な運営をすればステークがスラッシュ(没収)されるため、担保が審査の代わりに規律を与える設計になっています。
第二に、HIP-4(アウトカム契約=予測市場)です。2026年5月にローンチされ、バイナリーの事象契約がperp・現物と同じ証拠金口座で取引できます。
第三に、手数料の使途です。プロトコル手数料の大半はAssistance FundによるHYPEの自動買い戻しに充てられます。直近30日の手数料収入は約7,590万ドル、年率換算で約9.3億ドルに達し、買い戻し強度は時価総額対比で年率約7%という水準です(crypto.news)。取引需要がそのままトークンの需給に直結する構造であり、株式で言えば利益のほぼ全額を自社株買いに回す企業に相当します。
続きは有料会員限定です
- 月額 9,990円〜で国内最大級のWeb3リサーチが読み放題
- DeFi / NFT / DAOなど2,000本以上のレポートを網羅
- 投資判断や事業検討に使える実務視点の分析
- 基礎から最新動向までプロフェッショナルな情報にアクセス
すでにご登録済みの方は
無料会員登録は
【PR】 SBI VCトレードの口座をお持ちのお客さまは
口座をお持ちでない方はこちら >
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。