トークン化株式の類型化とリスク評価
2026年06月17日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 裏付けがあっても、株主とはかぎらない
- 投資家の請求権の強さで、4つに分かれる
- A 発行体主導・ネイティブ株式型
- B カストディ/受益・ブローカー保有型
- C 裏付け資産型トラッカー証券
- D デリバティブ/CFD型
- 見るべきは「どの権利記録に載るか」だ
- 請求権の弱い型は、本来ディスカウントされるべきか
- 総括
裏付けがあっても、株主とはかぎらない
トークン化されたSpaceX株相当の商品を買えると思って申し込んだ投資家に、海外大手取引所のBybitが申込資金を全額返金すると告知した。割り当てがゼロに終わったからだ。殺到した申し込みに対してxStocksが原資産を調達・引き渡せず、Bybitが割当を受けられなかったためと報じられている。
トークン化された商品を申し込んでも思ったものが手に入るとはかぎらないなら、トークン化株式を買う投資家は実際に何を手にするのか。
「トークン化株式」とひとくくりに呼ばれる商品も、法的な中身は同じではない。本物の株式をトークンで持つものから、株価に連動するだけの証券、取引所との相対契約まで幅がある。同じ「裏付けがある」という説明でも、原株が誰かの口座に眠っているだけなのか、投資家に株主権や償還請求権まで及ぶのかは、まったく別の話になる。
突き詰めれば、確かめたいことは破綻したとき、投資家は誰に何を請求できるのか。
この「誰に何を請求できるか」という見方は、規制当局の整理とも重なる。米SECスタッフは2026年1月の3部門合同声明で、トークン化証券をまず発行体主導型と第三者主導型に分け、後者をさらにカストディ型と合成型へ細分した。なお同声明はSECスタッフの見解であり、規則や法的拘束力を持つものではない。
本レポートはこれを、投資家のリスクが見える4つの型に落とし込む。
投資家の請求権の強さで、4つに分かれる
SECスタッフ声明の区分を参考に、本レポートでは投資家の請求権リスクがより直感的に見える4つの型として整理する。すなわち、発行体主導型(A)、カストディ型(B)に加え、合成型については請求権の性質に応じてトラッカー証券型(C)と相対デリバティブ型(D)に分ける。
図1 トークン化株式の見取り図。横軸に投資家の法的地位、縦軸に移転・流通の開放度をとり、A〜D型を配置した。なおDinariは配布チャネルでB/D型が変わり、Swarmは投資家の法的地位がFinal Terms依存(商品別に要確認)。
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