【特集:年越し選書】HashHubチームがこの年末年始に読んでいる、またはオススメの書籍
2024年12月28日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- はじめに
- 【特集:年越し選書】HashHubメンバーがおすすめする書籍、コンテンツ
- 競争優位を実現するファイブウェイ・ポジショニング戦略
- 私の財産告白
- カオスの帝王―惨事から巨万の利益を生み出すウォール街の覇者たち
- 一流投資家が人生で一番大切にしていること
- シンギュラリティはより近く:人類がAIと融合するとき
- のっちはゲームがしたい!の本
- Seeking Wisdom:From Darwin to Munger
- 確率思考 不確かな未来から利益を生みだす
- セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと
はじめに
クリプト、市場、経済学、社会学、経営、歴史、哲学、小説など、HashHubチームメンバーが今年の年越しに読んでいる本や年越しにおすすめしたい本をご紹介します。数冊ピックアップして通読するのも良し、休暇中の気晴らしにほんの数ページ掻い摘んで読んでみるもよし、年越しのお供としてご参考ください。
【特集:年越し選書】HashHubメンバーがおすすめする書籍、コンテンツ
競争優位を実現するファイブウェイ・ポジショニング戦略
文責:Lawrence
情報が氾濫する現代において、消費者が求めていることはなにか?
それは、明確で、安心できて、確実で、信頼できること。
人々は、自分の選択肢を容易くし、決めたことに満足させてくれる、信頼できて頼れる「何か」を求めている。
ファイブウェイ・ポジショニング戦略とは、この「何か」を提供するために、現代ビジネスにおいて生き残るための競争戦略のこと。
私がこの戦略を好きなポイントは、5つの要素すべてを一流にしようとするビジネスは遅かれ早かれ失敗する、と断言している点。
すべてにおいて一流を目指すことは、現代ビジネスを長らく苦しめてきた慢性病ともいい切っている。
しかし、どの部分は一流を目指し、どこは業界標準維持でいいか?このバランスが難しい。
自社の戦略をどのように置くか、そして現代版のアプローチはどのように取れば、顧客の心をグリップできるのか、それらの関する指南書として参考になる書籍です。少し古い本ですが本質的な内容なので今でも参考にはなると思います。
私の財産告白
文責:Lawrence
楽して儲けたい、面倒な仕事は避けたい、自由気ままに生きたい。誰もが一度は抱くこの願いについて、本書から答えを探してみました。
結論として、直接の回答は見つかりませんでしたが、大きな収入や財産がなくとも、それなりの財を築く方法は示されていました。
その要点は、質素倹約で給料の1/4を貯金し(現代で言えばS&P500などを購入)、機会を見て投資を行い、職業を「道楽化」することです。非常にシンプルですが、実践は難しいかもしれません。
著者自身、大学教授という決して裕福とは言えない環境で、戦後の地価上昇を見抜き、農林知識を活かして莫大な財を築きました。
これから学べるのは、先見性を持ち、大胆に行動する重要性です。自分の競争優位性を見極め、それを活かして大きく投資する姿勢が求められます。
「職業の道楽化」については、「好きなことを仕事にする」という単純な話ではありません。
得意で誰かに必要とされ、経済的利益を得られる仕事を、好きになり、自然と没頭するほどの「道楽」に昇華せよ、という教えです。
著者が370以上の著作を残したのも、書くことが仕事であり道楽だったからこそでしょう。
普通の給料で大きな財を築きたい人や、職業を道楽化したい人におすすめです。
カオスの帝王―惨事から巨万の利益を生み出すウォール街の覇者たち
文責:Junya Hirano
ナシームタレブとスピッツナーゲルが運営するヘッジファンドのユニバーサを中心に描いた書籍です。
ユニバーサは、市場価格と極めて離れたストライクプライスのオプションを安価に購入して暴落時に大きく儲けることを特徴としたファンドです。
サブプライムショックで大きなリターンを出して最初に知名度を得て、最近のパンデミックの暴落時には3612%のリターンを叩き出したことで再び脚光を浴びました。
すぐには結果が出ないが期待値がプラスの賭けを続ける効果、将来のブラックスワン(不確実性)は分からなくても予防やそれに備えたシャープレシオの設計は可能であること、それを認知している人間の人生の行動パターンまで描かれており一気読みできる書籍です。
一流投資家が人生で一番大切にしていること
文責:Junya Hirano
真に豊かな人生を手に入れるための投資哲学をテーマに、世界的な一流投資家の複数名にインタビューをして描かれた書籍です。インタビューした投資家は、テンプルトン卿やハワードマークス等大変豪華な内容になっています。
世の中にはいわゆる投資の名著という本が世の中に何冊もあります。さらにその中の何冊かは投資・トレードをライフワークにする私にとって、今後も人生で何回も読むであろうお気に入りの書籍があります。そういった書籍はたいていはすぐに身につくスキルやテクニカルな考え方ではなく、習慣や投資哲学、人生に関する本で、聖書のように繰り返し読んで自身の血肉にする本です。この書籍もそうした一冊のうちの1つです。
シンギュラリティはより近く:人類がAIと融合するとき
文責:Hiroki Morita
「AIの2045年問題」、「2045年にシンギュラリティが起きる」などお聞きしたことはありませんか?
本書の著者は、この「シンギュラリティ」に関する議論を世に広めることとなった「The Singularity Is Near」(2005年出版)の著者であるレイ・カーツワイルです。生成AIの登場以降、この単語を見る機会が増えた印象です。
AIが人間の能力を上回るタイミングや、AGI(汎用人工知能)/ASI(人工超知能)の到来のことを「シンギュラリティ」というケースもありますが、彼の述べる「シンギュラリティ」は、この意味ではありません(これらは2029年までに起きると予想しています)。
現在の人間の脳では理解できない「シンギュラリティ」が起きる2045年まで、AIを含む、あらゆるテクノロジーの指数関数的な成長により、約20年でどのように社会が変わっていくのか。人類史、心理学・哲学、生物学、政治・経済、教育・文化、エネルギー、芸術など幅広い視点で、数字も絡めて深い考察が為されています。もしかしたら、現代における唯一無二の予言書かもしれません。
のっちはゲームがしたい!の本
文責:Hiroki Morita
推しの本が出ました!!!!!!!!!!
ありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!!
超絶インドア派でゲーム大好きPerfumeのっちさんが、ゲーム制作に関わる方々に取材する連載「のっちはゲームがしたい!」を持っておりまして、それが書籍化されました!
ドラクエ、FF、モンハン、FGO、アイマスなどのゲーム制作の裏側が知れて最高に面白いです。さらに、のっちさんの取材後記が本当に秀逸で、内容も構文もオタクみがあり、とても身近な存在に感じられてマジ尊いです。
書籍化限定コンテンツとして、桜井政博さん(カービィやスマブラの生みの親)と対談しているのも激アツ過ぎました。尊敬する人と推しが会話しているの、夢以上なんですが……。桜井さんのYouTubeも神がかっているので、皆様ぜひご覧ください。
撮り下ろし写真も言わずもがな素晴らしいです。拝み倒させていただきました(合掌)。
読んだ後は、めちゃめちゃゲームやりたくなります。そして、のっちさんにもお会いしたくなると思います。一緒にライブ行きましょう!!!!!!!!!!
Seeking Wisdom:From Darwin to Munger
文責:masao i
生物学、心理学、物理学、数学などの多様な学問分野の知見を組み合わせて導かれた「より良い思考や意思決定を行うための原則」を一冊にまとめたPeter Bevelinの意欲作。
副題に「From Darwin to Munger」とあるように、チャールズ・ダーウィンから、バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガーやウォーレン・バフェット、心理学者のダニエル・カーネマンや故エイモス・トベルスキーの意思決定研究など、現代に至るまでの歴史上の偉大な頭脳たちが紡いできた知恵と知識から導き出される洞察を一冊の本として仕上げたもの、です。
本を紹介しながらもむやみに情報を読むな、というのも変な話ですが、こういう類の本は、(そこに答えが書かれているわけでもありませんから)畏まって頭から読む、というよりは、ふとした時に、その時々で気になった箇所を目次から引いて読む、(偶然ひらめく)、というくらいの接し方がおすすめです。
なお、残念ながら日本語翻訳版は存在しません。(が、多少の誤訳を許容できる心のゆとりさえあれば現代社会のツールを駆使して容易にコンテンツを解読できる時代ではあります。興味がある方は、言語の壁に臆することなく日本語圏外の知のアーカイブに世界を広げてみましょう)
確率思考 不確かな未来から利益を生みだす
文責:masao i
プロのギャンブラー思考を紡いだ名著です。(だと思っています。)
ミームコイン大好きですか。
AIエージェントコイン大好きですか。
ハイリキ大好きですか。
わかりますよ。心が勝手に躍るんですよね。私の心もグダグダ言いながらも踊ってはいるので、身に沁みてわかります。
AIエージェントコイン大好きですか。
ハイリキ大好きですか。
わかりますよ。心が勝手に躍るんですよね。私の心もグダグダ言いながらも踊ってはいるので、身に沁みてわかります。
話は変わりますが、まあ、そんなことはないと思うんですけれども、もしですよ、あくまで仮の話として、あなたが「寝ているだけで朝起きたらお金が増えている」症候群を(たまたま重めに)患った、お祈りオールベット(またはオーバーベット)な生き様を謳歌中の傑物だったとしたら、ですよ。
読みましょう。ね、まずは手に取るだけでもいいですから。
それと、
「それは詐欺でしょ」「眉唾ですね」と、リスクを過剰に避けて、妥当なリターンを得るチャンスすらも逃してしまっている自称慎重派、実際は「アンダーベットしがち」かも、な自覚が少しでもある方にもおすすめです。
不確実性が高い状況下で、身銭を「何」に対して「どれくらい」切るのか。極論ですが、重要なのは賭ける対象とその賭け金の塩梅だけです。
「それは詐欺でしょ」「眉唾ですね」と、リスクを過剰に避けて、妥当なリターンを得るチャンスすらも逃してしまっている自称慎重派、実際は「アンダーベットしがち」かも、な自覚が少しでもある方にもおすすめです。
不確実性が高い状況下で、身銭を「何」に対して「どれくらい」切るのか。極論ですが、重要なのは賭ける対象とその賭け金の塩梅だけです。
セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと
文責:masao i
本書『セカンドハンドの時代』は、旧ソ連の人々が、かつて「お金の概念が存在しない社会」で暮らしていたところから、ソ連崩壊によって突如「お金が支配する資本主義社会」へ投げ込まれたときの戸惑いや適応を、当事者たちの生々しい証言を通じて描いた歴史ドキュメントです。
歴史学者のユヴァル・ハラリが「もっとも成功した物語」と呼んだお金は、誰もが信じる普遍的で効率的な信頼システムとして、多くの社会の根幹を成してきたように思います。しかし、20世紀の壮大な社会実験下に置かれていた旧ソ連の人々にとって、「お金の物語」は適応化という名の戸惑いや苦悩を伴った「新しい物語」だったわけです。
近年では、Bitcoinをはじめとする暗号資産が、インターネットを介して国境を越えた新たな経済圏を生み出しています。こうした動きは、「お金」という概念がいかに柔軟に既存の信頼のネットワークを変化(もしくは代替)し得るのかを改めて示す好例といえるでしょう。旧ソ連の人々が、まるで未知の文化に触れるように資本主義社会へと投げ込まれたときの混乱は、私たちが現在「インターネット上の通貨(or 資産)」という新たな現実に向き合う戸惑いとも、どこか通じる部分があるかもしれません。
本書は、資本主義を当然の前提とする私たちに「お金とは何か、そしてその影響とはどれほど大きいのか」を改めて問いかけてくれます。資本主義の存在意義を再考したい方や、社会の激動期における個人の物語に興味のある方はもちろん、インターネット時代における新しい「お金の物語」に関心を持つ方にも、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。