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Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #51|Avalanche9000アップグレードからGEODNET、ProvLabsの戦略的投資…etc

2024年12月15日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • #51_資金調達の潮流
  • 1.「直近1週間」の資金調達トレンド
    • 1.1.直近一週間の出資フロー
  • 2.セクター別資金調達トレンド
    • 2.1.Infra|Avalanche9000アップグレードからGEODNET、ProvLabsの戦略的投資
    • 2.2.CeFi|Web3銀行とネオバンクの未来:Klickl InternationalとCOSIMO、Kastの資金調達動向
    • 2.3.Mining|高性能マイニングチップとグリーンマイニング拡大:Nano LabsとBTC Digitalの資金調達概要
    • 2.4.DeFi|RujiraのTGE準備とNeptune ProtocolのUSDN開発
    • 2.5.Games|Fantasy.top、トレーディングカードゲームとファンタジーベッティングの拡充に向け425万ドル調達
    • 2.6.Tools|デジタル資産管理とセキュリティ強化:Datai Network、Meme Vault、ChainAware.aiの資金調達概要
    • 2.7.Social|TelegramとTONエコシステムを活用するBountyBay、Animoca Brands支援で成長加速
    • 2.8.その他|SprinterのAdvanced Solving System統合とDtravelの戦略的資金調達
  • 3.「2024年度Q4」
    • 3.1.資金調達を実施したプロジェクト概観
    • 3.2.資金調達が活発なカテゴリー
    • 3.3.活発な投資会社の特定(四半期別)

前提

本シリーズでは、どのようなWeb3.0関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、資金調達の最新の傾向とパターンを解説します。
今回の#51では、2024年12月7日〜2024年12月13日にかけての調査分析結果を共有します。

#51_資金調達の潮流

※グラフ記載の$_Mは当該期間中の調達合計、(_cases)は調達したプロジェクト件数を表しています。なお、資金調達報告は確認されているものの調達額が公開されていない場合は、ケースとしてカウントしてはいますが、調達額の計算には含んではいません。
以下、「直近1週間」「2024年度Q4」の資金調達の調査結果です。

1.「直近1週間」の資金調達トレンド

直近一週間の投資ラウンド件数/週は47件、公開情報に基づく調達額/週は約$501M(※非公開情報は含まれません)です。
この期間中、公開された資金調達額ではInfraセクター($344M/20件)、CeFiセクター($70M/6件)、マイニング関連($56.2M/2件)の順に多くの資金調達報告を確認しています。
より細かな分類(上図)では、Layer1($261.6M/3件)、マイニング産業関連($56.25M/2件)、RWA関連($30.7M/5件)、AI関連($27M/2件)、CEX($25M/2件)に比較的多くの資金が流れていることを確認できます。

1.1.直近一週間の出資フロー

各セクターでの資金調達の内訳は、上記の出資フローを示すグラフでご確認いただけます。
この期間中に出資額、出資数で目立つ投資会社(投資家)はParaFi Capital、Dragonfly Capital、Animoca Brandsです。
  • ParaFi Capitalの出資先内訳 
    • GEODNET:分散型リアルタイムキネマティクス(RTK)ネットワーク
    • Avalanche:Ava Labs が作成したL1プラットフォーム
  • Dragonfly Capitalの出資先内訳 
    • fantasy.top:SocialFiトレーディングカードゲーム
    • Avalanche:Ava Labs が作成したL1プラットフォーム
    • commonware:元Ava Labsのエンジニアリングリードであるパトリック・オグレディ氏が設立したスタートアップ。Rustベースのブロックチェーンフレームワークを構築。
  • Animoca Brandsの出資先内訳 
    • Neptune Protocol:分散型レンディングプロトコル
    • ProvLabs:ブロックチェーンインフラ技術企業
    • Bounty Bay:TelegramとTONのエコシステムをベースとしたWeb3ネイティブのソーシャルバイラルマーケティングプラットフォーム

2.セクター別資金調達トレンド

以下、各セクターごとの当該期間中の資金調達トレンドをまとめます。

2.1.Infra|Avalanche9000アップグレードからGEODNET、ProvLabsの戦略的投資

資金調達の中で特に注目すべきポイントを以下にまとめました。
出典:https://www.avax.network/blog/avalanche-momentum-accelerates-as-galaxy-dragonfly-and-parafi-lead-250m-investment-in-support-of-avalanche9000-upgrade
まず、Avalancheは、Dragonfly Capitalを含む複数の著名な投資ファームからの支援を受け、2億5000万ドルのロックトークンセールを発表しました。この資金は「Avalanche9000」のアップグレードに向けたもので、Layer 1のブロックチェーンの展開コストを大幅に削減することを目指しています。特にこのアップグレードにより、C-Chainのトランザクションコストが25倍削減される見込みであり、Web3やブロックチェーンのスケーラビリティにおいて重要な役割を果たすと期待されています。
次に、GEODNETはParaFi Capitalからの投資を受けています。このプロジェクトは、自律走行車やヒューマノイドロボット向けにセンチメートル単位の精度を提供することを目指しており、DePIN技術を活用した高精度な位置情報サービスの実現を試みています。GEODNETは、ロケーションの精度やコスト効率を向上させるインフラを構築しており、投資はそのさらなる拡大に寄与することが期待されています。なお、同社は2024年2月にNorth Island Venturesをリードに350万ドルを調達しています。
出典:https://provlabs.io/services/pro/tokenization-advisory-services/
最後に、ProvLabsはAnimoca Brandsを含む複数の投資ファームから支援を受けてシード資金調達に成功しました。同社はデジタル資産の管理を効率化するAPIやSaaSソリューションを提供し、特に金融市場のトークン化を促進する技術を開発しています。今回の資金調達により、同社はさまざまなユースケースに対応するブロックチェーン環境の構築を目指しています。
これらの資金調達は、いずれもブロックチェーン技術の進化や普及に寄与するものであり、今後の展開が注目されます。
[Infra領域における資金調達事例一覧]

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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。