SolvBTCの利回り獲得戦略、Solv Protocolのメカニズムとリスクの総評
2024年12月11日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- Solv Protocolの概要
- Solv Protocolの主なメカニズム
- 1. Staking Abstraction Layer(SAL)
- 2. SolvBTC
- 3. SolvBTC.LSTs(Liquid Staking Tokens)
- エコシステムの現状
- Solv Protocolに関わる主なリスク要素
- スマートコントラクトのセキュリティ
- Solv Guard(マルチシグウォレット)
- リザーブ資産の管理
- 主にリスク要素となる点
- Solv Protocolを利用したBTC運用とポイント獲得戦略
- 総括
本レポートでは、BTCの流動性レイヤーとして複数のBTCリキッドステーキングトークンを提供するSolv Protocolの概要を解説します。
BTCを運用してイールドを得たいというニーズは少なからずあり、ノンカストディアルにこれを実現する場合にはユースケースが限定されます。
HashHub Researchでは、これまでBTCをノンカストディアルにステーキングすることを通じて、インカムゲインを得るオプションの紹介とリスク分析を目的に、以下のレポートを公開してきました。
本レポートで焦点を当てるSolv Protocolは、上記とはまた異なるアプローチで、BTCを利用したインカムゲインを得る選択肢となるDeFiプロトコルであり、リスク要素も別の観点が必要となります。
一方、BTCをDeFiで運用できるだけでなく、Solv Protocolの提携先のプロジェクトからエアドロップを示唆するポイント配布が行われており、間接的なエクポージャーを得られる観点でも注目されています。
そこで、このレポートでは、Solv Protocolが提供するBTCからインカムゲインを得るメカニズムを理解し、リスク要素を認識した上で、読者がアクションを取れることを目的に解説を行います。
参考リンク
そこで、このレポートでは、Solv Protocolが提供するBTCからインカムゲインを得るメカニズムを理解し、リスク要素を認識した上で、読者がアクションを取れることを目的に解説を行います。
参考リンク
- 公式サイト;https://solv.finance/
- ドキュメント:https://docs.solv.finance/
Solv Protocolの概要
Solv Protocolは、BTCの流動性と利回りへのアクセス機会を拡大するためのDeFiプラットフォームです。
その中心となるのは、「Staking Abstraction Layer(SAL)」というテクノロジーで、BTCホルダーがスムーズにステーキングやDeFiエコシステムを活用できるような仕組みを提供しています。
Solv Protocolの主なメカニズム
1. Staking Abstraction Layer(SAL)
SALは、ビットコインのステーキングに伴う複雑さを抽象化し、ユーザーに統一されたインターフェースを提供するSolv Protocolの中核技術です。
主な機能としては以下のとおりです。
- ステーキングプロセスを簡素化する
- マルチチェーンに対応する(Ethereum、Arbitrum、BNB、Baseなど10のチェーンに対応)
SALは、ステーキングパラメータの管理、LST(Liquid Staking Token)の発行、ステーキングの検証、トランザクションの構築、報酬の分配など、多岐にわたるサービスを提供する役割を担っています。
2. SolvBTC
SolvBTCは、ネイティブBTCに1:1でペッグされたSALにおけるユニバーサルなBTCに対するステーブルトークンであり、DeFiエコシステムへのアクセスを容易にし、DeFiにおいてBTCの流動性を高める役割を果たします。
現在、Ethereumで対応しているBTCは上記の通りです。
現在、Ethereumで対応しているBTCは上記の通りです。
BabylonやCoreでは、ネイティブネットワーク上のBTCをステーキングするプロトコルですが、Solvは上記のようなスマートコントラクトでラッピングされたBTCペグトークンを利用する点が特徴です。
後述しますが、SolvBTCにデポジットしたあと、さらにステーキングを行うことで、Solv Protocol上のLSTを入手可能です。
このLSTを利用すれば、SolvBTCによって生まれるステーキング報酬を受け取れるだけでなく、そのLSTをさらにDeFiプロトコルで運用して利回りを得られるという2重のイールドへアクセスできます。
利回りとポイント報酬の現状は以下のとおりです。
上図のTVLを見ると、主にBabylonにTVLが集中している現状があり、およそ10億ドルほどのBTCがステーキングされています。
Babylonのステーキングプールは、利回りがないにも関わらず、このようなことが起きているのはステーキング報酬としてBabylonポイントへのエクポージャーに対して意欲的であることが示唆されています。
3. SolvBTC.LSTs(Liquid Staking Tokens)
SolvBTC.LSTsは、ステーキングされたSolvBTCを表すトークンで、流動性を維持しながら利回りを得ることができます。
主な種類:
- SolvBTC.BBN: Babylonプロトコル上でステーキングされたBTCを表すLST
- SolvBTC.ENA: Ethenaのベーストレード戦略を活用するLST
など
SolvBTCをステーキングすることで、SolvBTC.LSTをもらうことができるため、ステーキングしつつ流動性を活用でき資金効率性が高まります。
エコシステムの現状
クロスチェーン
Solv Protocolは、ChainlinkのクロスチェーンプロトコルであるCCIPを活用しています。これにより、SolvBTCが10ものマルチチェーンへ対応できることを実現しています。
さらに、Solv ProtocolはFree.techとも提携しており、これによりクロスチェーン取引の効率性とセキュリティが向上しています。
これらの技術の組み合わせにより、ユーザーは複数のブロックチェーン間での資産移動をスムーズに行うことができ、BTCの流動性を最大限に活用することが可能となっています。
DeFiエコシステム
DeFiエコシステムにおけるSolvBTCやSolv.LSTを利用できるプロジェクトは、こちらのページに一覧となっています。
一覧から利用できるSolv.LSTを見つけて、デポジットすることが可能です。
公式サイトでは、53万以上のユーザーが参加し、TVLは20億ドルを超えているようです。
一覧から利用できるSolv.LSTを見つけて、デポジットすることが可能です。
公式サイトでは、53万以上のユーザーが参加し、TVLは20億ドルを超えているようです。
Solv Protocolに関わる主なリスク要素
Solv Protocolは、ステーキング、トークンの発行、報酬分配などのプロセスを自動化するスマートコントラクトに大きく依存しています。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。