Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #42
2024年10月14日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- #42_資金調達の潮流
- 1.「2024年10月」
- 2.「直近1週間」
- 2.1.レイヤー2ブロックチェーン「Odyssey」を開発するIthacaにParadigmが2,000万ドルを投資
- 2.2.開発者が主権と相互運用性のトレードオフを解消できるように設計されたネットワーク「delta」が、Figment CapitalやVariant、DBAなどから1,100万ドルの資金を調達
- 2.3.「Crypto版Duolingo」を謳う教育プラットフォームを開発するPiP Worldが、Exinityから1,000万ドルのシード資金を調達
- 2.4.BTC担保型のステーブルコイン「$YU」を開発するスタートアップ「Yala」、Polychain CapitalやEthereal Venturesなどから800万ドルのシード資金を調達
- 2.5.ビットコインエコシステム向けの分散型オラクルプロジェクト「APRO Oracle」、Polychain CapitalやFranklin Templeton、ABCDE Capitalが主導する300万ドルのシードラウンドを完了
- 3.「2024年度Q4」
- 3.1.資金調達を実施したプロジェクトのワードクラウド
- 3.2.ラウンド別分布
- 3.3.資金調達が活発なカテゴリー
- 4.投資会社(投資家)の動向
- 4.1.直近一週間の出資フロー
- 4.2.活発な投資会社の特定(四半期別)
- 5.補足資料
- Infra
- DeFi
- Games
- Social
前提
本シリーズでは、どのようなWeb3.0関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、その最新の傾向とパターンを解説します。今回の#42では、2024年10月05日から2024年10月11日にかけての資金調達活動を調査し、どのカテゴリーが最も注目を集め、どのような特徴が見られるのかを分析しています。
【今週の主な話題】
- レイヤー2ブロックチェーン「Odyssey」を開発するIthacaにParadigmが2,000万ドルを投資
- 開発者が主権と相互運用性のトレードオフを解消できるように設計されたネットワークのネットワーク「delta」が、Figment CapitalやVariant、DBAなどから1,100万ドルの資金を調達
- 「Crypto版Duolingo」を謳う教育プラットフォームを開発するPiP Worldが、Exinityから1,000万ドルのシード資金を調達
- BTC担保型のステーブルコイン「$YU」を開発するスタートアップ「Yala」、Polychain CapitalやEthereal Venturesなどから800万ドルのシード資金を調達
- ビットコインエコシステム向けの分散型オラクルプロジェクト「APRO Oracle」、Polychain CapitalやFranklin Templeton、ABCDE Capitalが主導する300万ドルのシードラウンドを完了
※本レポートでは当該期間中のトレンドのみを取り上げて解説します。各プロジェクト概要は添付リストの概要欄及び参照URLをご参考ください。
#42_資金調達の潮流
※グラフ記載の$_Mは当該期間中の調達合計、(_cases)は調達したプロジェクト件数を表しています。なお、資金調達報告は確認されているものの調達額が公開されていない場合は、ケースとしてカウントしてはいますが、調達額の計算には含んではいません。
以下、「2024年10月」「直近1週間」「2024年度Q4」の資金調達の潮流を概説します。
1.「2024年10月」
調査時点で観測している10月の投資ラウンド件数は計25件、公開情報に基づく調達額は約$0.12B(※非公開情報を含まない金額)の資金調達報告を確認しています。
2.「直近1週間」
直近一週間の投資ラウンド件数/週は19件、公開情報に基づく調達額/週は約$108M(※非公開情報は含まれません)です。
この期間中、公開された資金調達額ではインフラセクター($69M/12件)、ゲームセクター($28M/3件)、DeFiセクター($8M/2件)の順に多くの資金調達報告を確認しています。
より細かな分類(上図)では、Ithacaを含むLayer2関連($23M/2件)、PiP Worldを含むGameFi関連($18M/2件)、Layer1関連($17M/2件)に比較的多くの資金が流れていることを確認できます。
2.1.レイヤー2ブロックチェーン「Odyssey」を開発するIthacaにParadigmが2,000万ドルを投資
オープンソースのレイヤー2ブロックチェーン「Odyssey」の開発に着手したIthacaにParadigmが2000万ドルを投資したと発表。
2024年10月11日、Odyssey TestnetのChapter 1がリリースされました。このテストネットは、Reth SDKを活用して高性能で安定した暗号インフラを提供し、開発者に最新のEthereumの機能をすぐに試す機会を提供中です。
Odysseyの主な特徴は以下の通りです:
- 高性能: Reth SDKにより、33megagas/秒のスループットおよび1秒のブロックタイムを実現。
-
新しいEIPの導入: PectraとFusakaアップグレードから以下のEIPsが実装されています:
- EIP-7702: アカウント抽象化を可能にし、ガススポンサーやトランザクションバンドルなどの新機能を提供。
- EIP-2537: BLS12-381曲線を用いた暗号化操作を効率化。
-
RIP-7212: secp256r1楕円曲線を使用した安全な認証を実現し、ガスコストを最大50倍削減。
※関連レポート:Ethereumの大型アップグレード、Pectraの概要 投資家に与える影響は?
- フリクションレスL2オンボーディング: 特別なウォレットやガストークンなしで、ユーザーは簡単にL2にオンボードできます。
今後もChapterごとに新機能が追加され、次世代のアプリケーションに向けたさらなる進化が期待されています。
[参考]
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。