Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #30
2024年07月22日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- #30_資金調達の潮流
- 1.「2024年7月」
- 2.「直近1週間」
- 3.「2024年度Q3」
- 4.補足資料
- Infra
- DeFi
- CeFi
- Games
- Tools
- Social
- NFT
前提
本シリーズでは、どのようなWeb3.0関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、その最新の傾向とパターンを解説します。今回の#30では、2024年7月13日から2024年7月19日にかけての資金調達活動を調査し、どのカテゴリーが最も注目を集め、どのような特徴が見られるのかを分析しています。
【今週の主な話題】
- VisaやStripeなどにエンタープライズグレードのブロックチェーンデータを提供するデータプラットフォーム「Allium Labs」が、シリーズAラウンドで1650万ドルを調達
- Omnichainデータネットワーク「Chainbase」がTencent Investment Group/Matrix Partners China主導のシリーズAで1500万ドルを調達
- クレジットアクセスを民主化することを目指すRWAクレジットプロトコル「Zivoe」、835万ドルを調達
- 分散型AIスタートアップ「Mira」がシードラウンドで900万ドルを調達
- 空域の賃貸と売買を通じて収益を得る新しい不動産管理方式を提供する「SkyTrade」、Modular CapitalとPortal Venturesが共同でリードしたプレシードラウンドで資金を調達
※本レポートでは当該期間中のトレンドのみを取り上げて解説します。各プロジェクト概要は添付リストの概要欄及び参照URLをご参考ください。
#30_資金調達の潮流
※グラフ記載の$_Mは当該期間中の調達合計、(_cases)は調達したプロジェクト件数を表しています。なお、資金調達報告は確認されているものの調達額が公開されていない場合は、ケースとしてカウントしてはいますが、調達額の計算には含んではいません。
以下、「2024年7月」「直近1週間」「2024年度Q3」の資金調達の潮流を概説します。
1.「2024年7月」
調査時点で観測している7月の投資ラウンド件数は計72件、公開情報に基づく調達額は約$0.87B(※非公開情報を含まない金額)の資金調達報告を確認しています。
2.「直近1週間」
直近一週間の投資ラウンド件数/週は22件、公開情報に基づく調達額/週は約$85M(※非公開情報を含まない金額)です。
この期間中、公開された資金調達額ではインフラセクター($29.5M)、CeFiセクター($17.7M)、Toolsセクター($16.5M)の順に大きく、件数ではインフラ(9件)、DeFi(5件)、CeFi(3件)の順に多くの資金調達報告を確認しています。
2.1.VisaやStripeなどにエンタープライズグレードのブロックチェーンデータを提供するデータプラットフォーム「Allium Labs」が、シリーズAラウンドで1650万ドルを調達
VisaやStripe、Uniswap Foundationなどにエンタープライズグレードのブロックチェーンデータを提供するデータプラットフォーム「Allium Labs」が、シリーズAラウンドで1650万ドルを調達しました。
この資金調達ラウンドはTheory Venturesが主導し、その創設者であるTomasz Tunguz氏が投資の一環として取締役会に加わりました。
Allium Labsは、データインフラの投資と市場へのアプローチを強化し、金融機関がデジタル資産を受け入れるサービスを提供する計画です。
調査現在の主要製品はAllium Developer及びAllium Explorerを提供しており、またVisaと共同でVisa OnChain Analytics Dashboard(https://visaonchainanalytics.com/)を開発し、ステーブルコインの活動に関する洞察を提供しています。
[参考]
- Allium.labs:https://www.allium.so/
- Visa's Data Partner Allium Labs Raises $16.5M as Their New Findings Show Stablecoin Activity is Back Up
2.2.Omnichainデータネットワーク「Chainbase」がTencent Investment Group/Matrix Partners China主導のシリーズAで1500万ドルを調達
Omnichainデータネットワークを開発する「Chainbase」が、シリーズAの資金調達ラウンドで1500万ドルを調達。このラウンドはTencent Investment GroupとMatrix Partners Chinaが共同でリードしました。
なお、今年の第4四半期にはメインネットとガバナンストークンCBTのローンチを予定しています。
Chainbaseデータプラットフォームは、オンチェーンデータのインデックス作成、変換、利用を可能にするWeb3データインフラです。開発者がWeb3アプリケーションを構築、管理、スケーリングできるように支援します。
主な機能は以下の通りです:
- API: ブロックチェーンデータへのアクセスを提供する使いやすいAPI。
- データセット: 最新のプロトコルを使用したアプリケーション開発のための豊富なデータセット。
- データクラウド: インデックスされたデータセットに対して低遅延クエリを実行できるサービス。
- データ同期: リアルタイムで自身のインフラにデータをストリーミングし、強力なアプリケーションを構築。
[参考]
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。