Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #52|Riot Platforms, Inc.、総額5億9,440万ドルを調達。その大部分をBTC購入に充てる…etc
2024年12月22日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- #52_資金調達の潮流
- 1.「直近1週間」の資金調達トレンド
- 1.1.直近一週間の出資フロー
- 2.セクター別資金調達トレンド
- 2.1.Mining|Riot Platforms, Inc.、総額5億9,440万ドルを調達。その大部分をBTC購入に充てる。
- 2.2.CeFi|Bitcoin貯蓄から証券のトークン化まで──暗号資産スタートアップの資金調達が続々と進行中
- 2.3.Infra|従来型の資産のオンチェーン化からAIエージェントまで
- 2.4.Social|Dtravelが築く次世代バケーションレンタルとAvara社のソーシャルアプリ向け分散型L2「Lens」、Promeetの収益化支援プラットフォーム
- 2.5.NFT|高級腕時計のP2Pマーケットプレイスを展開するKettleが400万ドルの資金調達を実施
- 2.6.Games|Ark of Pandaが200万ドル、XYROが140万ドルを調達:Web3ゲームの最新資金調達動向
- 2.7.DAO|DeSciプロジェクト「PoSciDonDAO」が資金調達を実施
- 2.8.DeFi|Amphor ProtocolとInceptionLRTが統合し、リステーキングに特化したモジュラー型集約レイヤーを構築
- 2.9.Tools|ChainalysisがWeb3セキュリティ企業Hexagateを買収
- 3.「2024年度Q4」
- 3.1.資金調達を実施したプロジェクト概観
- 3.2.資金調達が活発なカテゴリー
- 3.3.活発な投資会社の特定(四半期別)
前提
本シリーズでは、どのようなWeb3.0関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、資金調達の最新の傾向とパターンを解説します。
今回の#52では、2024年12月14日〜2024年12月20日にかけての調査分析結果を共有します。
#52_資金調達の潮流
※グラフ記載の$_Mは当該期間中の調達合計、(_cases)は調達したプロジェクト件数を表しています。なお、資金調達報告は確認されているものの調達額が公開されていない場合は、ケースとしてカウントしてはいますが、調達額の計算には含んではいません。
以下、「直近1週間」「2024年度Q4」の資金調達の調査結果を共有します。
1.「直近1週間」の資金調達トレンド
直近一週間の投資ラウンド件数/週は33件、公開情報に基づく調達額/週は約$751M(※非公開情報は含まれません)です。
この期間中、公開された資金調達額ではマイニング関連($594.4M/1件)、CeFi関連($75M/5件)、インフラ関連($40.2M/11件)の順に多くの資金調達報告を確認しています。
より細かな分類(上図)では、マイニング産業($594.4M/1件)、決済事業($50M/1件)、ソーシャルグラフ($31M/1件)、アセットマネジメント($20M/1件)、RWA($20M/1件)に比較的多くの資金が流れていることを確認できます。
1.1.直近一週間の出資フロー
各セクターでの資金調達の内訳は、上記の出資フローを示すグラフでご確認いただけます。
この期間中に出資額、出資数で目立つ投資会社(投資家)はHaun Ventures、Faction、Borderless Capitalです。
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Haun Venturesの出資先内訳
- Plume Network:リアルワールドアセット(RWA)に特化したブロックチェーンネットワーク
- BVNK:Stablecoin決済プラットフォーム
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Factionの出資先内訳
- FLock:分散型AI
- Lens Protocol:分散型ソーシャル
- Plume Network:リアルワールドアセット(RWA)に特化したブロックチェーンネットワーク
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Borderless Capitalの出資先内訳
- Fraction AI:データラベリングの分散化
- Lens Protocol:分散型ソーシャル
- Silencio:騒音データを収集・処理・応用するDePIN
2.セクター別資金調達トレンド
以下、各セクターごとの当該期間中の資金調達トレンドをまとめます。
2.1.Mining|Riot Platforms, Inc.、総額5億9,440万ドルを調達。その大部分をBTC購入に充てる。
Riot Platforms, Inc.(NASDAQ: RIOT)が、2030年満期の0.75%転換社債を通じて5億9,440万ドルを調達したことを発表。
この資金の調達において、発行額の一部、すなわち6,940万ドルが初回購入者のオプション行使により追加発行されています。発行手数料を控除後、実質的な調達額は約5億7,920万ドルとなっており、今回調達した資金の大部分をBTCの追加取得に充てることが発表されています。なお、一部は「一般的な企業目的」にも充てられる予定。
この転換社債は、適格機関投資家向けに私募で販売されており、1933年証券法に基づく144A規則に従って適法に行われています。
今回の資金調達は、BTC価格が上昇する中でのBitcoin市場への集中投資により、競争優位性をさらに高める戦略的な狙いがあると考えられます。ただし、BTC価格のボラティリティによるリスクが増加すること、加えて転換社債発行による将来的な株式希薄化や負債増加は懸念事項として挙げられるでしょう。
なお、Riotはビットコインマイニングおよび関連インフラの整備を主な事業としており、テキサス州やケンタッキー州でマイニングを行うほか、コロラド州デンバーでの電気スイッチギアのエンジニアリングおよび製造も手掛けています。
[Mining資金調達事例一覧]
- Mining industry
- Riot|Riot Platformsは5億9,440万ドルの転換社債を発行し、資金をビットコイン取得に充てた。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。