Statelessnessの概要|Ethereumのさらなる分散化へ向けて
2023年09月26日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- Statelessnessの概要
- ユーザーとして注目すること
- 総括
前提
本レポートではVitalik氏やEthereum開発者コミュニティが推し進める「Statelessness(ステートレス性)」を概説します。以前より議論がありましたが、直近のイベントでVitalikが改めて言及するなど重要性が伺えます。
端的に述べると、Statelessnessはノードをより分散化させるアイデアです。現在、Ethereumノードは5,900ほどありますが多くはAWSなど集権型Webプロバイダーを通じて実行されています。ノードのストレージ要件など運用コストの高さが起因しています。
Statelessnessが実現すれば安価なハードウェアでの検証が可能となり、さらなる分散化につながります。最終的にはスマートフォンで実行できるとも言われています。
Ethereumのロードマップでは「The Surge」「The Scourge」の後にある「The Verge」「The Purge」で主要な実装が予定されています。直ぐに変化は起こりませんが、Statelessnessを理解することでEthereumが抱える課題の把握や、発展性を判断する材料になります。
【サマリー】
- Statelessnessは履歴を全て記録するStatefulとは逆の状態を指す
- データ容量の削減でノードの運用要件を下げ、より分散した状態を目指す
- プロポーザーとビルダーの分離(PBS)で全てのノードがデータを持つ必要をなくす
- Verkle Treesで保存するデータの取捨選択を可能にする
- EIP-4444(履歴の有効期限)で溜まっていくデータを削除する
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。