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米国規制の最新事情(2023年前期)

2023年06月14日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • ホワイトハウス(バイデン政権・民主党)
  • 連邦規制当局の体制
  • 連邦銀行監督当局
  • 証券取引委員会(SEC)
  • 議会
  • 総括
  • 出所・補足

前提

2022年は数多くの暗号資産事業会社が破綻し、さらに2023年には米国内で銀行の破綻が相次いで発生しました。こうした状況を受けて、バイデン政権や規制当局は暗号資産に対してより厳しい方針を採用し始めています。
証券取引委員会(SEC)は、2023年6月5日には世界最大規模の暗号資産取引所のBinanceを、さらに翌日の6日には米国最大規模のCoinbaseを連邦証券法の違反を理由に提訴しました。消費者保護の観点から規制強化の動きが加速しています。
しかし、米国の暗号資産規制の法整備に関しては、他国と比べて進展が遅れています。その結果、米国に本拠地を置く暗号資産事業会社からは海外への移転を示唆する発言がなされるなど、法整備を求める業界と議会との駆け引きが見受けられます。このような背景もあり、議会では法整備の緊急性を訴える議員たちによって協議が進行中です。
本レポートでは、2023年前半におけるホワイトハウス、連邦規制当局、議会の取り組みについて詳しく解説します。
[Executive Summary]
ホワイトハウスは、2023年の大統領経済報告書で暗号資産に対して否定的な姿勢を明確に示し、バイデン大統領自身も厳しい見解を述べている。新たな税制導入の提案や規制の厳格化など、暗号資産に関する政策方針を明らかにしている。
FRBなど連邦銀行監督当局は、今年に入ってから銀行の暗号資産活動をより厳重な監視対象としている。米国内の銀行破綻は、暗号資産への過度なエクスポージャーが一因とされ、監督・規制の強化に本格的に取り組む方針が示されている。
FTXの破綻を契機に、SECは監視と執行の強化に取り組んでいる。ステーキングからカストディ規則改正案まで、暗号資産事業会社への対策・執行措置が進展中。SECが連邦証券法の違反を理由に提起した訴訟件数は、2023年6月時点で前年度の半数を超えている。
下院議会では、法整備の緊急性を訴える議員たちの呼びかけにより協議が進行中。主なテーマはステーブルコイン規制と暗号資産の分類・管轄当局に関する規制。民主党は規制の強化と厳格な法整備を支持する傾向にあるが、共和党はより柔軟な法整備を支持しており、両党間で法整備に対する見解の差異が見られる。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。