BlackRockのETHステーキングETF(ETHB)の戦略背景とリスクの構造、日本における論点整理
2026年02月24日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- エグゼクティブサマリ
- 1. 規制の現在地——三条件の進展と限界
- 2. 利回りの実態——二重控除の構造
- 3. 運用リスクと契約設計
- 4. 競合比較
- 5. 日本への示唆
- 現行制度の壁
- 今着手できること
- 結論
- 参考文献
エグゼクティブサマリ
- 2026年2月、BlackRockがステーキングを内包するETH現物ETF(iShares Staked Ethereum Trust、ティッカー:ETHB予定)に向けてETHの取得を開始したと報じられました。
- この動きは単なる商品追加ではなく、米国でSEC・IRS・SROをめぐる条件整備が進んでいることを示すシグナルだと捉えられます。
- 本レポートでは、SEC S-1/A・IRSガイダンス・FSA WG資料等に基づいて、規制・利回りの実態・運用リスク・日本への示唆を順に整理します。
1. 規制の現在地——三条件の進展と限界
この動きの背景には、米国で三つの論点において条件整備が段階的に進展してきたことがあります。
SECスタッフ声明(2025年5月29日)では、カストディアンが代理人として機能し、ステーキングの可否・量の決定や報酬の保証を行わない形(カストディアル・ステーキング)に限り、証券の募集・販売に当たらないという立場を示しました。ただしスタッフレベルの見解であり法的拘束力はなく、Crenshawコミッショナーから「既存判例との整合性が弱い」との批判も出ています。規制が「解消した」のではなく、「規制リスクの形が変わった」と捉えるべきでしょう。
SROの上場規則改訂については、Nasdaqが提出したETHAの「非ステーキング表明」削除案(SR-NASDAQ-2025-053)が2025年9月26日にwithdrawnされており、執筆時点でSRO整備は完了していません。つまり取引所の上場ルールが正式にステーキングETFを許容する形に改訂されないまま、BlackRockはETHBを新商品として別ルートで申請している状態です。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。