2020年後半に始まった暗号通貨ブームの中で、改めてEthereumの処理能力と手数料の課題が明らかになりました。これは2017年後半から2018年年初にかけての暗号通貨ブームですでに認識されていた課題で、前回の冬の時代ともいえる2018年から2019年にかけて、レイヤー1、レイヤー2、サイドチェーンとして、スマートコントラクトを実行できるさまざまなブロックチェーンが構想され、開発が進められてきました。

その結果、2021年にはPolygon、Solana、Avalancheといった手数料が安く高速にトランザクションを処理できるEthereumキラーと呼ばれるブロックチェーンを利用して実際にサービスが提供されるようになり、Ethereumのレイヤー2ネットワークの開発も進みました。

さまざまなブロックチェーンが登場し、利便性が高まる一方で、各チェーンのメリット・デメリット、どのような事例があるのか、全体像を把握するのは容易ではありません。

本稿では、2022年12月現在、TVLの大きいブロックチェーンを中心に、スマートコントラクトチェーンの概要と事例を俯瞰することを目的に解説します。