ATOM2.0 これからのCosmos
2022年10月28日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- これまでのCosmos Hub
- これからのCosmos Hub
- Interchain Securityを用いて追加する新興チェーン
- 複数のLiquid Stakingプロジェクト
- 新たなATOMの発行スキームと手数料の仕組み
- Cosmos Hubを経済的に強くするための2つの仕組み
- DAOを管理する仕組み Cosmos Assembly
- 総論
前提
本レポートでは、2022年9月に発表されたCosmos Hubの新しい構想であるATOM2.0についての紹介をしながら、今後のCosmos Hubとその周りのチェーンを含むCosmosエコシステムがどのように発展して行くのかを、筆者の知るCosmosの背景や考察を織り交ぜながら概観します。
今回新たに公開された内容は通称ATOM2.0と呼ばれています。これはCosmosが最初のホワイトペーパーで構想していたCosmos Hubや、インターオペラビリティ実現のためのIBCという通信規格は既に稼働しており、それに対してこれまでの状況を踏まえながら、改めてこれからのCosmosの構想を示したものであるため、2.0という表現が用いられています。
これまでのCosmos Hub
Cosmosというのは、Internet of Blockchainの構築を目指し、ブロックチェーン間のインターオペラビリティを実現するためのプロジェクトです。Cosmosが用意しているCosmos SDKというキットを用いることで、簡単にブロックチェーンを作成することができ、誰もが自由にブロックチェーンを作成し、Cosmosのネットワークに接続させることができます。
その中でも最初に立ち上げられたチェーンがCosmos Hubであり、Cosmos SDKの最新技術を適用させるためのチェーンでありながら、チェーンが多く立ち上がった際、それらのネットワークの中心となることを期待されているチェーンです。
Cosmos Hubは2019年4月にローンチされ、2021年3月にはIBCが適用されることで、別のCosmosネットワークのチェーンと接続され、2021年夏からはエコシステム内のさまざまなチェーンがCosmos Hubの基軸通貨であるATOM保有者に対してエアドロップを行ったことも話題になりました。
2021年末にはCosmos Hubのセキュリティを貸し出すことで、新興チェーンを安全に立ち上げるための仕組みであるInterchain Securityの構想が発表されました。
今回のATOM2.0はそれらInterchain Securityを用いてCosmos Hubの経済圏を拡張しながらいかに次世代のプラットフォームになっていくかを示したものになります。
Interchain Security自体に関しては過去のレポートも取り扱っているので、そちらを参照ください。
次のトレンドの種は何かその1 -CosmosのInterchain security-
Interchain Security自体に関しては過去のレポートも取り扱っているので、そちらを参照ください。
次のトレンドの種は何かその1 -CosmosのInterchain security-
これからのCosmos Hub
ATOM2.0では大きく以下の内容が公開されています。
- Interchain Securityを用いて追加する新興チェーン
- 複数のLiquid Stakingプロジェクト
- 新たなATOMの発行スキームと手数料の仕組み
- Cosmos Hubを経済的に強くするための2つの仕組み
- DAOを管理する仕組み Cosmos Assembly
本レポートではこれらを一つずつ解説していきます。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。