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ev.ioを例にしプラスサムで持続可能なGameFiを考える

2022年10月11日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提:GameFi(BCG)の課題
  • ev.ioの概要と運営のAddicted Gamesについて
  • ev.ioのゲーム詳細
  • ev.ioがプラスサムゲームを目指せる理由
  • ev.ioから考える今後のGameFi(BCG)
  • 総括

前提:GameFi(BCG)の課題

本レポートでは、独自のモデルで持続性を解決しようとするGameFiのev.ioを取り上げ、現状のGameFiの課題とそれを解決する例を提案します。
2021年にはAxie Infinity、2022年にはSTEPNとGameFiのタイトルが大きな注目を浴びました。しかしこれらのGameFiは先行プレイヤーの優位性が大きく、後続プレイヤーの損失が大きくなる傾向にあり、ポンジスキームとも揶揄されました。

※厳密なポンジスキームの定義についてはこちらのレポートを参照ください。

その理由として、これらのGameFiはゲームプレイを開始するためにNFTの購入が必要という点が挙げられます。収益の流れとして、運営もしくは先行プレイヤーがNFTを産み出し、後発プレイヤーがそれを購入します。プレイヤーは自分がNFTの購入に費やした金額より大きなリターンが後発プレイヤーから得られると利益となり、後発プレイヤーはそれができないと損失となります。運営は手数料収入を得られるためにリスクは少ないですが、存続は新規プレイヤーの流入数にかかっています。そのコントロールを失敗するとゲームも失敗に終わるため、コントロールが非常に難しいです。
またNFTを導入していなくても、ゲーム内トークンのインフレとデフレのコントロールが必要です。ゲームをプレイしてトークンが得られても、ゲーム内の人口に対してトークンの増加量が多いとインフレとなり、トークンの価値は減少します。またゲーム内ではプレイを促すために、敵を倒す、ミッションをクリアするなどでトークンが付与される事が多く、インフレする傾向にあります。そのインフレを防ぐためにアイテムの補修(STEPNの靴の修理など)やスキン(見た目の変更)でトークンを消費させることが一般的です。
暗号資産ではありませんが過去には、Ultima Onlineなどのオープンワールド系でゲーム内通貨の用途を多く作り、経済圏を成り立たせたことがあります。オープンワールド系は通貨の用途を多く準備できますが、そのようなGameFiはまだ誕生していません。また外部からの資金流入が無いと結局ユーザー同士の資金のやり取りとなり、マイナスサムゲームから脱出できません。
それを解決するための手段として、外部からの資金流入を狙う手段があります。しかしGameFiはウォレットの接続がプレイの前提となってしまい、そのハードルにより通常のゲームよりユーザーを集めづらいです。その点から広告モデルと相性が悪くなります。
多くのGameFiがこの仕組みを解決しようと試みてますが、その中で別のアプローチをして成功しつつあるモデルとしてev.ioというゲームがあります。特徴的な点として、最初は通常のゲームとしてローンチし、1年以上後にNFTとトークンを追加しています。通常のゲームとしてローンチする事でウォレットのハードルを越えてDAU(Daily Active User:1日当たりのアクティブなユーザー数)を上げて広告モデルが可能になり、そこからの資金流入をNFT保有プレイヤーに分配しています。
このev.ioの詳細と、そこから見た今後のGameFiの示唆について述べます。

[Exective Summary]
  • ev.ioはNFT不要でゲームを楽しむ通常プレイヤーでユーザー数を増やし、その広告費でNFT保有者へのPlay to Earnを支える仕組みをしている。
  • 通常のゲームとしてローンチした物でもPlay to Earnに変化できる点を示唆している。
  • AxieやSTEPNはカイジの沼パチンコのような高レートであり、このev.ioのように低レートで楽しむ1パチ5スロのような低レートの物など、上下の振れを繰り返しながら住み分けがされているのではないか。
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