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a16z cryptoら著名投資家が注目する暗号チェーン「Seismic」の概要と、不完全情報オンチェーンゲームの可能性について考察

2025年03月10日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • Seismicの概要
  • 資金調達に関する情報
  • 考察
  • 総括

前提

ブロックチェーンが注目を集め始めてから約10年が経過しましたが、執筆時点においては「透明性とプライバシーの両立」が、いまだに大きな課題として残っています。Ethereumなどの主要なレイヤー1チェーンは、トランザクションを公開することで誰もがその正当性を検証できる仕組みを提供しましたが、その一方であらゆる取引内容が公開されることにより、個人や企業の機密データ、ビジネス上の戦略情報などが漏れてしまうリスクが高まるという難点も露呈しています。こうしたパブリックブロックチェーン特有の問題を解決しようとする試みとして、今回は先日a16z cryptoなどからの資金調達を発表した「Seismic」というプロジェクトについてご紹介したいと思います。
[関連資料]
公式ウェブサイト:https://www.seismic.systems/
公式ドキュメント:https://docs.seismic.systems/
公式Twitter:https://x.com/SeismicSys
公式Discord:https://discord.com/invite/MnMJ37JN

Seismicの概要

出典:https://www.seismic.systems/
Seismicは、アプリケーションレベルでの暗号化をブロックチェーンの基盤に組み込み、新たなユースケースの可能性を切り拓こうとしているプロジェクトです。背景として、これまでのブロックチェーンのプライバシー保護というのは、ウォレットレベルでの暗号化を中心に議論されてきました。ただ、このウォレットレベル暗号化というのは、ユーザーの残高やアドレスを隠すことで個人情報を保護する仕組みですが、アプリケーションの機能設計自体を覆い隠すわけではありません。例えば、DEXの注文や取引条件、transferロジックなどは依然として公開状態にあり、企業が独自のノウハウや機密性の高い設計を盛り込むには抵抗がありました。
これに対してSeismicは、「チェーンそのもの」に暗号化の仕組みを埋め込み、
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。