Play to Earn(P2E)ゲームのビジネスモデルを考える|有料プレイモデルと無料プレイモデル「EmberSword」の特徴

目次

  • 前提
  • 「有料プレイモデル」の特徴
  • P2Eゲーム版「無料プレイモデル」の特徴
  • F2Pモデルの具体例|EmberSword
  • Play to Earn要素はどこにあるのか
  • トークン(ERC20、ERC 721)について
  • F2Pモデルの課題と考えうる解決策
  • 総括

前提

本レポートではPlay to Earn(P2E)ゲームのビジネスモデル考察を行います。今回のレポートではP2Eゲームのビジネスモデルを「無料」「有料」モデルに大別し、各モデルの現状、課題を概説します。なお執筆時点で主流の「有料」モデルについては過去レポートで度々触れているため軽く触れる程度にし、主に「無料」モデルを採用するP2Eゲーム「EmberSword」を例に、その特徴や課題点について筆者考察を加えて解説します。

「有料プレイモデル」の特徴

執筆時点で主流の有料プレイモデル(以下P2Pモデル)について簡単にその特徴、課題について概説します。
有料プレイモデルとはゲームに参加する前に初期費用を支払う必要があるモデルのことを本レポートでは指します。例えばAxie InfinityやStepnなどはこのモデルに属します。
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P2Pモデルにもさまざまありますが、昨今のモデルの特徴は「初期費用」と「経常費用」のバランスを考慮したモデルを模索しているという点にあります。
あえて「模索している」と形容したように完成されたモデルというのは未だないように筆者は理解しており、その多くはやはり初期費用依存モデルからは脱去しきれてはいないように思います。
初期費用依存モデルというのはつまり、価値の源泉を初期費用を支払う新規参入者に求めるということであり、その仕組み上「投機家中心のゼロサムゲーム」と表現できます。
このモデルの課題は新規参入者数増加に翳りが見え始めると、資産価値の向上も同様に翳りを見せ始め、旨味を感じなくなった投機家層が離脱し始めると堰を切ったように価格がクラッシュしてしまうリスクを抱えている点にあります。
そのため、初期費用依存モデルになりがちなP2Pモデルは投機家(投機的価値)ではなく純粋な消費者としてのプレイヤー(本質的価値)を必要とし、最終的には消費者による支出を前提としたプラスサムゲームにしなければ中長期での持続は難しいと考えられます。
このことからもわかるようにP2Eゲームとは「遊んで稼げるモデル」を大々的に謳ってはいるものの、経済圏外からの資金提供がない限りは本質的にはみんなが遊んで稼げるものではなく、経済圏内で消費するか、経済圏外からの資金流入がなければP2Eは成り立ちません。
この課題を解決する一つの方法は初期費用依存ではなく、経常費用重視モデルにシフトさせることであり、仮にそれが叶うのであれば新規参入者数が頭打ちになったとしても、既存ユーザー層によるコンテンツ消費で経済圏をある程度持続させることができる可能性がでてきます。
とは言え、執筆時点でも経常的に「消費したい」を促す仕組みを作ろうとするプロジェクトはありつつも、その実態は「儲けたいから消費したい」を動機付ける形になりがちであり、より明確に表現するならば消費ではなく、追加投資を促す仕組みになってしまっている場合も散見されます。

この意味では「やはりポンジスキームではないか」と言いたくはなりますが、このようなモデルで筆者がむしろ重要だと認識していることは「1.本質的価値の有無」「2.文化、コミュニティの有無」、そして「3.求心力となる概念の抽象度の高さ」の3点です。

仮に投機的価値のみで成立しているのであれば、どこかのタイミングで価格がクラッシュしてしまうことは十分あり得ます。しかし、もしそこに「1.本質的価値」があるならば、そう易々と価格がクラッシュすることもないように思えます。ただし、強い求心力を持つ概念に裏付けられた「2.文化とコミュニティ」が育まれているという条件付きでそのように思います。そのため、コミュニティの求心力となる概念は内外に広まりやすい「3.抽象度の高い概念」として受け入れられている必要があると思います。例えば、古くは宗教、暗号資産で言えばBitcoinを鑑みると、求心力となる概念の抽象度合いの如何が地理的、時間的な広がり方に関係していることがわかるでしょう。

少なくとも一般的にポンジスキームと揶揄されるような構造であったとしても、上記3点を満たすようであれば一定の経済圏を維持することもできるのではないでしょうか。ただし、土地とは異なり、インターネットコミュニティは粘着質なものでもなく、コピーキャットも横行しますから、よほど強い求心力を持った概念を必要とするかと思います。

次節以降は「無料プレイモデル」の特徴を具体例とともに解説していきます。なお、無料プレイモデルには無料だとP2Eに参加できず、課金するとP2Eになるモデルもありますが、今回は無料でP2Eに参加できるモデルを「無料プレイモデル」と称しています。

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