主要プロダクトのファーミング構造と根本的課題
2021年08月22日
目次
- 前提
- ファーミング構造の概要
- 各プラットフォームの構造
- 総論
前提
本レポートでは流動性提供やファーミングと呼ばれる手法で、独自トークンと引き換えにユーザーからの資産や注目を集める手法の概観を行います(以下、まとめてファーミングで統一)。1年ほど前にCompoundによってCOMPトークンのファーミングが始められました。一言で言えばより多くを貸し、より多くを借りたユーザーがより多くのCOMPトークンをもらえる仕組みで、一工夫を凝らすことでレバレッジを掛けたファーミングが可能であり、その利益率が非常に高いものであったためCompoundのToken Value Locked(TVL:プラットフォーム内にロックされているトークンの時価総額)が急増しました(TVL増加の一因にはETHの値上がり、多重カウントされているトークンの存在も大きいです)。
その後、様々なプラットフォームがファーミングに乗り出しましたが、一言でファーミングといってもその構造は多様であり、今後もプラットフォームとユーザーのより良いコミュニケーションを模索して、その媒介たる独自トークンのトークンエコノミクスは変化していくと考えるのが自然です。そこで本レポートでは、この1年で観測された興味深いファーミング構造を簡単にまとめ、独自トークンを中心とするトークンエコノミクスの概観を行います。
ファーミング構造の概要
上の表は代表的なDeFiプラットフォームを列挙したものです。それぞれの項目の解説を行います。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。