Sushi Tridentの概要 巨大化するプラットフォーム内のComposability
2021年07月29日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- Tridentの概要
- BentoBoxの利用
- 多様なプール
- ルーティングエンジン
- Tridentの評価
- 総論
前提
Sushiswap(以下Sushi)が最新アップデート「Trident」を発表しましたので、その概要と筆者の所感を共有します。今回の発表はSushiの今後の方向性を知るためにも重要な内容となっています。結論から述べるとUniswapのみならずCurveやBalancerの良いとこ取りをして、Sushi内にユーザー(の資産)を可能な限り長く滞留させることを狙ったアップデートだと表現できるでしょう。
公式ブログTrident記事:https://medium.com/sushiswap-org/introducing-the-sushi-next-generation-amm-trident-7dea6aa3cbc2
Tridentの概要
Tridentは三叉槍を意味し、今回のアップデートは大きく3つの柱によって成り立っています。
BentoBoxの利用
BentoBoxはレンディングプールを作るためのプロトコルで、具体化したプロダクトの例としてKashiがあります。Kashiは独立したプールから成り立っており、あるプールでの資金流出が別のプールに延焼しないことが特徴です。Tridentでは従来の流動性提供に加えて、死蔵する資産をレンディングに回すことで、より効率的な資金運用が可能だとしています。
従来のAMM(Automated Market Maker)は提供される流動性に比べて、トークンの交換に実際に利用される流動性は非常に小さいです。それ以外の流動性はいわば死蔵した状態であり、AMMの資本効率性の低さとして批判されてきました。「使われていない資産を貸し出すことで追加のり回りを得たら良いのでは?」という発想はBalancer v2でも採用されており、Balancerでもプールに提供された資産の一部をAave等のレンディングプールに提供する方式が実装される予定です。
具体的にどのレンディングプールにどのように接続されるかは明らかになっていません。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。