TrueFiおよびTRUトークンの概要 無担保ローンのレンディングプロトコル
2021年06月24日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- TrueFiの概要
- TRUトークンの概要
- 総論
前提
本レポートではTrueFiの概要について解説します。
TrueFiはEthereum上で展開される無担保ローンのレンディングプロトコルです。
開発チームは法定通貨を信託口座に預託して、TUSDなどのステーブルコインを発行しているTrustTokenと同一です。
開発チームは法定通貨を信託口座に預託して、TUSDなどのステーブルコインを発行しているTrustTokenと同一です。
TrueFiはスマートコントラクトのレンディングプールにデポジットされた資金を、借り手は担保なしに借りることができます。DeFiにはCompoundやAaveなど様々なレンディングプロトコルが存在して規模が大きくなっていますがいずれも借り手は暗号資産を担保にするものが中心で、無担保ローンで一定の規模を得ているプロトコルは2021年6月現在存在しません。
TrueFiはこの無担保ローンをトークンエコノミクスで工夫して実現しようとするプロジェクトです。本レポートではTrueFiの仕組みとネイティブトークンであるTRUトークンの概要について解説します。
TrueFiの概要
TrueFiのチーム・略歴
TrueFiは2020年11月に公開されたレンディングプロトコルです。
開発チームはTUSD、TGBP、TAUSD、TCADT、THKDの5つのステーブルコインを法定通貨を信託口座に預託して発行するTrustTokenです。TrustTokenは2017年より設立されたステーブルコインを発行する事業社で、透明性のある財務レポートなどを公開する事業者としても有名です。しかし同じく信託銀行に保管され透明性を強みにして同時期にリリースされたステーブルコインであるUSDCのほうが規模は大きく、TUSDのUSDCに対する流通量は執筆時点でおおよそ30分の1程度に留まります。TUSDの流通金額は$1.5Billion程度であり中規模のステーブルコイン事業者であると言えます。TrueFiはそのTrustTokenが開発するDeFiプロトコルであり、TUSDの利用用途を拡大するためのプロトコルであるとも言えます。
TrueFiはTrustTokenのチームによって初期の開発を行い、TrustTokenも会社としてトークンを保有していますが将来的に分散をしてコミュニティガバナンスに移行をするとしています。また、TrueFiには流動性マイニングがあり初期の流動性マイニングにTrustTokenも参加するものの、獲得したTRUはマーケットを通して売却し所有権をコミュニティに移していくとしています。別の事業を展開する営利企業がDeFiプロトコルも展開する数少ない事例と言えます。
TrueFiの概要
TrueFiはDeFiで以下を可能にすることを目指しています。
- 無担保で借り入れするユーザーは法的な枠組みをもって契約する。返済しなかった場合は法的な措置を取れる。
- DeFiで継続して無担保ローン取引ができるようなレピュテーションシステムの構築。
- 法定通貨建てのステーブルコインで資金運用をできるようにする。
TrueFiの基本的な仕組みを解説します。TrueFiでは、一般ユーザーがデポジットしたスマートコントラクトの資金プールにある資産を、借りたい人はリクエストを提出します。そして、このリクエストを承認するかどうかは独自トークンTRUを保有しステーキングしているユーザーによる投票で行われます。フローとしては以下の通りです。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。