Formation.Fi DeFiでのリスクパリティ戦略を可能とするプロジェクト

前提

DeFiの登場によりイールドファーミングやAMMに対する流動性の提供など、オンチェーンで暗号資産を運用する方法はますます増えており、昨今ではBSCやMaticなどイーサリアム以外のチェーンにおいてもDeFiが登場していることもあり、資産の運用先がますます多様化しています。
ユーザーにとっては運用先の多様化は望ましいことですが、そもそもDeFiの運用にはImpermanent Lossなど最低限の知識が必要であることや多様な運用先の想定利回りなどを都度把握することは労力が必要であり、ユーザーが常にベストの運用パフォーマンスを出すことは困難であるという課題があります。
Formation.Fiは、その様な課題に対して、アセットアロケーションをアルゴリズムで調整して、ユーザーが許容するリスクとリターンに適したポートフォリオを構築し、DeFiのエコシステムにおいて自動でイールドファーミングなどの運用機会を提供することを目的としたプロジェクトです。
このプロジェクトにおいては、上記のような運用手法を「クロスチェーン・リスクパリティ・スマートファーミング2.0」と称しており、リスクパリティ戦略とは著名なヘッジファンドマネージャーであるレイダリオ氏が率いるヘッジファンドのブリッジウォーター・アソシエーツが取った運用戦略です。
この戦略はポートフォリオの各資産のリスクを均等にする投資手法であり、Formation.fiにおいても、暗号資産やDeFiのアセットのリスクを測定することで、リスクに応じてグルーピングを実施し、ポートフォリオの各資産のリスクを均等にする戦略を取る模様です。
このレポートではクロスチェーンでのリスクパリティ戦略を提供することを目的としているFormation.fiについて概観します。
なお、このプロジェクトは資金調達をしているものの構想段階であり、実際のプロダクトはまだリリースされていません。よって、リリース時には当初構想の仕組みから変更(ピボット)されたプロダクトとなっている可能性がありますので、ご注意ください。

リスクパリティ戦略とは

資産運用の世界においては、2010年台前半にかけて、リスクパリティ戦略によるポートフォリオ構築が流行した手法です。レイダリオ氏が率いるヘッジファンドのブリッジウォーター・アソシエーツが積極的に採用した戦略であることも有名です。
端的に述べるとリスクパリティ戦略はポートフォリオの各資産のリスクを均等(パリティ)にする投資手法のことで、分散投資でもリスクを均等にしたアセットアロケーションを組む投資法といえます。
リスクパリティ戦略が出てきた背景には、既存の最適化モデルの問題があります。従来はMarkowitzによる平均・分散アプローチが資産運用では主流でした。このモデルでは、各資産の期待収益率と分散共分散行列によって最適解が出力されます。しかし、この期待収益率の推定が非常に難しい上にその期待収益率に対してセンシティブであり、少しの変化に対して、大きく最適解が変わってしまうという問題がありました。
そこで登場したのがリスクパリティ・ポートフォリオになります。このポートフォリオ構築方法では分散共分散行列だけで最適解が出力されます。この中でも分散は比較的推定が容易であることが知られており、この性質はリスクパリティポートフォリオを構築するときに好ましい性質です。

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