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Ethereum(ETH)の2021-2023年の中期的な投資見通しについて

2021年05月30日

目次

  • 前提
  • Ethereumのネットワークアクティビティーはあらゆる指標で活発化
  • 機関投資家によるETHの購入
  • 主に開発分野の重要なトピック(EIP-1559・マージ・レイヤー2)
  • ETHはより希少なアセットに 中長期でのデフレーション
  • 総論

前提

本レポートでは、Ethereum(ETH)の2021-2023年の中期的な投資見通しについて取り扱います。
ETH価格は2021年上半期に高騰した背景および、今後のEthereumの重要な開発トレンドやETHの価格に影響しうる機関投資家動向を踏まえて解説します。
EthereumのネイティブアセットであるETHの価格は2021年上半期に大きく上昇しました。執筆している2021年5月中旬時点で年初来で約500%、直近1年では約1500%の上昇を記録しています。
参照:https://www.coingecko.com/en/coins/ethereum
暗号資産市場全体におけるドミナンスはBitcoinは40%を下回り、Ethereumは約20%になり、Ethereumの時価総額はBitcoinに対する半分近くになりました。
参照:https://coinmarketcap.com
Ethereumのネットワークの主要な利用用途としてDeFi(分散型金融)と、デジタルアートやゲームアイテムのトークン化の手段としてのNFTが挙げられます。これらの利用用途は2020年以前で既に顕在化していましたが、2021年にかけてより裾野の広いユーザー層から注目を浴びて利用者も増えています。また、Ethereumが開始以来の最大のアップデートであるEthereum 2.0の開発も進んでいます。
そしてそれらDeFiやNFTの利用は、Ethereumのネットワークを利用する行為を伴うものなので、ネットワーク使用料としてのETHの需要も高騰、またそれを見越したETHの投資需要も高まっているというのが現状です。
他にもDeFiの経済圏で担保資産としての利用用途拡大、Ethereum2.0でのステーキングの増加など様々な観点があり、これらの点も本レポートでは網羅します。また、今後のEthereumの重要な開発トレンドやETHの価格に影響しうる重要なトピックとして、EIP-1559・Ethereum2.0とのマージ・レイヤー2についても取り上げます。
なお、本レポート執筆にあたり筆者はETHに強気な見方をしていることを開示しております。HashHub Researchで配信される全てのレポートは投資を助言または推奨するものではなく、情報提供と教育のみを目的としています。私たちのサービスを利用したことによる利用者の不利益や投資の損失については一切の責任を負えないことをご了承ください。お客様が本レポートで参照される暗号資産または関連するアセットに関して投資判断を行う場合は、事前にご自身でリサーチ及びデューデリジェンスを実施していただく必要があります。

Ethereumのネットワークアクティビティーはあらゆる指標で活発化

本節では、Ethereumの主要なネットワークアクティビティを『Ethereum Announces First Quarter 2021 Results』から参照しながら要約します。
※上記は上場企業の決算開示を模していますが、Ethereumのネットワークを参照して執筆された個人のブログです。
2021年Q1(1-3月)のEthereumの主要な成長は以下の通りです。
  • ネットワーク全体で支払いされたトランザクション手数料:ネットワーク全体で支払いされたトランザクション手数料は$1.7 billion、2020年のQ1の$8Mと比較して約20倍がトランザクション手数料として支払いされた。
  • トランザクションされた資金量: Ethereumのネットワークでトランザクション資金量は$713 billionで、2020年のQ1の$33 billionと比較して20倍に。
  • トランザクション1件あたりの手数料:1件あたりの平均トランザクション手数料は$7.63。2020年のQ1の$0.06 と比較して126倍に。
  • Ethereum2.0にステーキングされたETH:2020年12月から開始したEthereum2.0のステーキングは360万ETHがステーキングされて、これはETH全体供給量の3%超にあたります。
  • デイリーアクティブアドレス:平均約60万のアドレスが毎日Ethereumでアクティブに稼働しています。2020Q1から70%の成長をしています。
  • DeFiのTVL:Ethereum上のDeFiのスマートコントラクトにロックされた資金量は$177 billionで76倍になった。
  • ステーブルコインの時価総額:$41.9 billionになり2020Q1の$7.1 billionから5倍になった。
  • WBTC:BitGoがカストディしてBitcoinをERC20にしたWBTCは170,00WBTCに達しており、これはBitcoinの全供給量の1%にあたる。2020Q1から約95倍成長した。
  • NFTアートの販売:NFTアートの販売は観測可能な範囲として2021Q1で$396Mで、2020Q1は$0.7 millionであり約500倍成長した。
参照:https://draecomino.substack.com/p/ethereum-q1-2021-results
また、上記のオンチェーンアクティビティ以外ではEthereumの最も主要なウォレットであるMetamaskは500万アクティブユーザーを発表VISAはEthereum上のUSDCの決済をサポートすることを発表しました。

機関投資家によるETHの購入

機関投資家によるETHの購入、関心も高まっています。
2021年2月にはCMEでEthereumの先物取引が開始しました。米国の規制された先物取引としては、Bitcoinに続き2つ目の暗号資産先物で、これはEthereumの投資の窓口が増えたことを指します。またCFTCの承認も経ていることで、ETHに証券性があるかの議論は通過して晴れてコモディティとして認められたと言えます。
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