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Anti Matterの概要 無期限アメリカン・オプションの組成が可能なプロトコル

2021年05月20日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • Anti Matterとは? 
    • 1.現状のDeFiデリバティブプロトコルには簡単に使えるものがない
    • 2.ダウントレンド時におけるポートフォリオ・プロテクションのソリューションが欠如
  • Anti Matter V1(Perpetual Ethereum Call / Put on-chain Option)の仕組み
  • MATTERトークン(ユーティリティー、ディストリビューション)
  • 開発者、投資家など
  • 総論

前提

本レポートではAnti Matterの概要について解説をします。
Anti MatterはオプショントークンのAMM(Automated Market Maker)分散型取引所や無期限のオプションの組成ができるサービスを提供しているEthereum上のプロトコルです。
UniswapはDeFi領域においては無くてはならない存在になっていますが、いつでも誰でも簡単に利用できることが普及した要因であり、Anti Matterも同様に非中央集権なオプションやデリバティブをシンプルに柔軟性を持たせることで、普及させることをゴールにしています。
他のデリバティブ系DeFiプロトコルは仕組みが非常に複雑であり、ユーザーの支持を得られていないことが普及していない要因であると考えており、非中央集権のデリバティブを極めてシンプルな仕組みで構築しています。また、このプロジェクトの注目すべき点は伝統的な金融の手法とは明らかに系統が違うアプローチで問題解決を行っていることです。
本レポートの理解にはオプションについての基礎知識があった方が理解しやすいことから、基礎知識がない場合は、下記レポートを参照してください。
Anti Matterは他のデリバティブ系DeFiプロジェクトとは違い、無期限アメリカン・オプションの組成やオプションに特化した分散型取引所を提供していることが特徴です。本レポートではAnti Matterの基本概要 、および独自トークンであるMATTERトークンについて解説します。

Anti Matterとは? 

Anti Matterは普及されるようなDeFiのオプション商品を実装するために、他のプロジェクトとはまったく違う、新しいアプローチをとっています。
ポジティブ(コールオプション)とネガティブ(プットオプション)という対となる二分極化したトークンメカニズムをベースにし、クロスチェーン(Ethereum、BSC、HECOなど)に対応した無期限のアメリカン・オプションなどのプロダクトを提供しています。
※アメリカン・オプション=満期日までにいつでも権利行使することのできるオプション
※ヨーロピアン・オプション=満期日でのみ権利行使することのできるオプション
既存金融の観点からみると現状では無期限(満期(限月)がない)オプションのプライシングをする方法やロジックがないような気がしますが、払い出される原資産(キャッシュフロー)を前もってプロトコルにロックし、その執行が自動で行われることから管理コストなどが掛からないという、パブリックチェーンの利点を最大限に活かしたことで実現したプロダクトであると考えており、マーケットフィットするかしないかは分かりませんが、その点は新しい概念ではないかと著者は評価しています。
(著者はクオンツではないため、誤解があるかもしれませんが、キャッシュフローが確定しているので、2項モデルの連続したもので評価できるのでしょうか?)
Anti Matterは非中央集権なデリバティブをなるべくシンプルに設計・構成することで、マスアダプションを目指しており、次の2つの問題を解決することを目的にしています。

1.現状のDeFiデリバティブプロトコルには簡単に使えるものがない

他のプロダクトは利用するには非常に複雑で、アクションを起こすごとにガスを消費する仕組みになっています。既存金融の与信に依拠した中央集権のデリバティブの方が使い勝手は圧倒的によく、DeFiデリバティブを普及させるにはUniswapのようにUXを改善しなければいけないと考えられます。

2.ダウントレンド時におけるポートフォリオ・プロテクションのソリューションが欠如

DeFiのエコシステムにおいてはレンディングなどのアップトレンド時にリスクをとって、収益を最大化する仕組みや流動性提供による追加的収益を享受するプロダクトは豊富にありますが、ダウントレンド時に簡単にヘッジができるプロダクトは多くありません。
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