LIDOの概要 ステーキングされたトークンに流動性を付与するプロトコル
2021年05月10日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- LIDOの概要
- LIDOの仕組み
- 1.ステーキングプールコントラクト
- 2.stETH
- 3.DAO
- 独自トークンLDOの概要
- LDOの概要
- トークンディストリビューション
- 総論
前提
本レポートでは、LIDOの概要について解説します。LIDOはステーキングされたトークンに流動性を付与するプロトコルです。
ETHをステーキングすることでEthereumのバリデーターノードになることができ、ブロック報酬を得ることができます。
2020年12月にETHのステーキングができるようになったものの、一度ステーキングをするとEthereum1.0のチェーンにETHを戻すことができない性質を持っています。これは、Ethereum2.0の開発がある程度進みシャード上でのトランザクションが実行できる状態、あるいはEthereum2.0とEthereum1.0のマージが完了するまで続きます。つまり一度ETHステーキングを開始すると、しばらく引き出しが実行できない性質を持っています。これらについて詳しくは下記のレポートを参照してください。
関連レポート:Ethereum2.0 コンプリートガイド(2020年11月版)仕組み・ロードマップ・ステーキングの要件・マーケットへの影響
関連レポート:Ethereum2.0のステーキングをより深く理解する 各種サービスの種類、投資家に有利なステーキング戦略など
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そのような課題背景から開発されたのが2020年12月にメインネットローンチしたLIDOです。LIDOのプロトコルを介してETHをステーキングすると、実質的にユーザーはステーキングをしながらも任意のタイミングでETHを売却できます。LIDOはLiquid Staking Protocol(流動性ステーキングプロトコル)を自称しています。
2021年以降、LIDOはこの仕組みをEthereum以外のプロトコルでも拡大させようとしています。
今回のレポートはLIDOの基本概要、仕組み、独自トークンであるLDOトークンについて解説します。
LIDOの概要
LIDOはLiquid Staking Protocol(流動性ステーキングプロトコル)です。
Ethereum2.0のステーキングは以下のような障壁があります。
- ステーキングしたETHはBeacon Chainでのトランザクションが可能になるまで売却ができない。2021年5月時点でBeacon Chainでできる挙動はバリデーターノードをセットアップするか、バリデーターノードをストップさせるかのみである。
- ステーキングするETHは1ノードあたり32 ETH。これより小さいETHはステーキングできず、また32 ETHを保有する人も端数はステーキングできない。
- ステーキングする場合は自分でノード運用環境を構築しなければいけない。
LIDOはこれらを解決するプロトコルです。ユーザーがEthereum上のLIDOスマートコントラクトにETHをデポジットするとそのETHはステーキングに利用され、ユーザーはstETH(staking ETH)というERC20トークンを受け取れます。stETHはETHをLIDOにデポジットしている事を証明する証書です。ERC20トークンであるため、その他のトークンと同様にEthereum1.0チェーン上での送信や、他トークンとのスワップなどができ、また他のプロトコルが対応さえすればDeFi上で担保資産などに活用できます。また、ETHをデポジットしたユーザーは自身でノード運用環境をセットアップする必要がなく、他者に委託することができます。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。