EthereumとBinance Smart Chainのサイドチェーン xDai chainの概要
2021年03月18日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- xDaiの概要
- xDai Bridge
- Ethereum OmniBridge
- BSC OmniBridge
- xDai chainの2つのトークン
- xDai:ネイティブステーブルコイン
- STAKE:独自トークン
- xDaiのガバナンス
- 総論
前提
本レポートではDAIをサイドチェーンで運用するためのxDAIの概観を行います。2020年、2021年に浮き彫りになったのはパブリックブロックチェーンにおいてステーブルコインの需要が大きいこととステーブルコイン関連のトランザクションにEthereumのキャパシティが使用されており結果的にガス代が高騰していることです。2021年にはGnosisが予測市場の機能をxDaiのサイドチェーン上に実装することを発表しているように、トークンの移動以上のユースケースが出てくるものと思われます。
上図でUSDTやUSDC関連のトランザクションが多いことが確認できます。
※参考:ETH Gas Station
Ethereumトランザクションの逼迫を回避する方法はL2(レイヤー2)、オンチェーンスケーリング(Sharing)、サイドチェーンが挙げられますが、xDaiは3番目のサイドチェーンに該当します。サイドチェーンはベースとなるブロックチェーン(ここではEthereum)のセキュリティを引き継がず、サイドチェーン側で用意するセキュリティに依存することになり、サイドチェーンの運営者の信頼性が低い場合にはユーザーを集められないという課題があります。ユーザー視点ではEthereumが信用できるか否かとサイドチェーンが信用できるか否かはまったく別物なので学習コストが高いです。とはいえ、現時点でL2で実現できる機能は限定的であり、オンチェーンスケーリングにも時間がかかる状態です。そこで少額利用を前提にサイドチェーンを使うユーザーが増えてくることが予想されます。
Binanceによって開発され、運営されるBinance Smart Chain(以下BSC)はサイドチェーンではありませんが、Binanceに依存する運営という点では類似した問題を抱えています。BSCは利用者を急速に伸ばしており、BSC上で最大のPancake SwapはUniswapに比肩するほどの取引高を記録しています。このことからも分散性に強いこだわりのあるユーザー以外にとって、特定の主体に信用を置かなければならないブロックチェーンやアプリケーションの利用は想定よりも受け入れやすいものなのかもしれません。
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