中国のデジタル人民元の最新動向 流通方式・ユーザーインターフェース・国際的な影響 (2020年10月時点)
2020年10月26日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- デジタル人民元の基本概要・歴史
- デジタル人民元の流通方式・システム
- デジタル人民元のユーザーインターフェース
- 2020年10月時点で行われているデジタル人民元に関わる実証実験
- DCEPを急ぐ中国特有の事情とは何か
- 国際的な通貨競争の観点でDCEPを考える
- ブロックチェーン・プログラマブルマネーとの関連
- 総論
- 参照
前提
本レポートでは中国のデジタル人民元の最新動向を網羅します。
2020年以降、中央銀行発行のデジタル通貨 CBDC(Central Bank Digital Currency)は、主要各国の中央銀行が検討を開始する一大テーマとなっています。その中でも最も先行しているのは中国です。中国は2019年にデジタル人民元プロジェクトを公にしており、2020年8月からパブリックテストを開始しています。
今回のレポートでは2020年10月時点で判明しているデジタル人民元の全体像を解説します。流通方式、ユーザーインターフェース、現時点でのパブリックテストの概要まで、可能な限り網羅した内容となっています。また後半では筆者の考察として、CBDC化を急ぐ中国特有の事情とは何か、国際的な通貨競争での視点、ブロックチェーン・プログラマブルマネーとの関連についてそれぞれ触れています。
なお、中国の中央銀行にあたる中国人民銀行自体は、デジタル人民元プロジェクトについてCBDCという言葉を使用しておらず、DCEP(Digital Currency Electronic Payment, DC/EP)という言葉を使用しています。以降、本レポート中では公式の発表に習いDCEPという言葉を用います。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。