中国における富の再分配や脅かされる私有財産権 暗号資産市場への影響
2021年08月31日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- 中国による方針転換
- 2.政治や体制に意見をする影響力のある個人の社会的制裁がより活発に
- 暗号資産市場へ中国からの資金流入を示す指標
- 総論
前提
本レポートでは、中国における富の再分配や脅かされる私有財産権 、また暗号資産市場への影響について解説します。
2021年の暗号資産相場は年初から4月まで力強い値動きとなり、5月・6月に調整、7月後半から8月にかけて急回復をしています。8月の急回復の要因は様々あります。Bitcoinの調整局面で下値で待っていた人のFOMO(Fear of missing out:持たざるリスクへの不安から買ってしまう投資家心理)が高値を追いかけたこと、既におなじみとなったMicro Startegy社のBitcoinの追加購入も大きく影響しているでしょう。
しかしながらこれらは何も新しい要素ではありません。暗号資産はフェアバリューの算定の困難さゆえ、FOMOによる買いが買いを呼び、みんなが欲しがっているから欲しがられるという状況は珍しくありません。Micro Startegy社をはじめとしたBitcoinの購入も新しい要素ではありません。
この期間に相場に新しい要素が生まれたとするならば、中国による大きな方針転換です。中国における富の再分配や脅かされる私有財産権という要素は、世界中の金融市場、特に中国と関係が深い企業とは無関係ではなく、暗号資産市場も例外ではありません。
本レポートではこれらのテーマを解説し、また暗号資産市場への影響を論じます。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。