独自トークンの功罪・発行タイミングの見極め・ピボットの成功例

目次

  • 前提
  • MVPレベルでトークンを内蔵してしまうことの功罪
  • 株式による資金調達とトークン発行タイミングの先延ばし
  • 発行済トークンとそのモデルのピボット例
  • 総論

前提

本レポートではプロジェクトにトークンを内蔵させることの意味、功罪、ピボット手法を実例を挙げながら紹介します。2020年には最大手のレンディングサービスCompoundのCOMPをはじめとする独自トークンの発行が相次いでいます。これらのプロジェクトは最近まで独自トークンを内蔵していませんでしたが、トークン発行によるプロジェクト運営資金の調達とユーザーの獲得に舵を切っており、独自トークンは現時点で唯一の現実的なマネタイズ手法であると界隈では理解されています。
パブリックブロックチェーン領域におけるマネタイズ手法の分析は以下のレポートで配信しています。
*参照レポート:【論考】パブリックブロックチェーン領域でのマネタイズの難しさを各レイヤーの優劣と競争構造から分析する
https://hashhub-research.com/articles/2020-04-26-how-build-business-by-using-public-blockchain
2017年のICOブームではほとんど詐欺と読んでも過言ではない程度のプロジェクトが跋扈し、その資金調達手段としてユーティリティを提供するとされるトークンが利用されたことで独自トークンの内臓は批判の的となりました。
独自トークンはプロダクトを複雑にするだけの邪悪な存在であり、ベースとして使用しているブロックチェーンの独自トークンを使うべきであるという主張が支持されていたのが2017年、2018年です。これらの意見は今でも強い納得感と妥当性があるものの、事業者目線ではパブリックブロックチェーン上でのプロダクトのマネタイズは極めて難しいの現状です。
論理はやや飛躍しますが、Lightning Networkを含むBitcoin関連のプロジェクトに資金が集まっていない一方でEthereum関連のプロジェクトには資金が集まっているのも独自トークンの有無が最大の理由であると筆者は考えています。
独自トークンには不必要な資金がまともに稼働しないプロダクトに集まってしまう問題もあるものの、一方で多くの資金が投機需要に下支えされながらエコシステムに流れ込むことは業界のライフサイクルを一歩進める上でも重要です。
以下ではまずトークン内蔵の功罪を述べ、最近の資金調達方法とトークン発行タイミングの変化、そして発行済トークンを含む事業のピボット成功例を解説します。

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