P2P分散ファイルネットワークのFilecoinの概要 総額300億円超を資金調達する研究開発企業Protocol Labsの全体像
2020年07月14日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- 開発企業であるProtocol Labs
- IPFS:
- ibp2p:
- Filecoin:
- IPFS:分散ファイルシステムのプロトコル
- IPFSの概要や仕組み
- IPFSを利用している事例
- IPFSの課題
- Filecoin IPFSの分散ファイルが正しく保存されるように経済インセンティブを加えたネットワーク
- Filecoinのコンセプトと仕組み
- Filecoinの設計要件や機能
- ユーザーがFilecoinを利用するメリット
- ストレージプロバイダーのメリット
- 不正対策の仕組み:Proof-of-ReplicationとProof-of-Space-time
- FILトークンの役割や投資家としての視点
- 筆者考察
- 総論
- 参照
前提
本レポートでは、P2Pネットワーク上で動作する分散ファイルシステムとして注目を集めるIPFS(InterPlanetary File System)とFilecoinの概要を取り扱います。
Filecoinは、2017年に$257 Million(約280億円)を資金調達しており、暗号資産の調達でも歴代上位に入る巨大プロジェクトであると言えます。また、その開発企業であるProtocol Labsは、研究開発企業として有名で、分散ファイルシステムのプロトコルであるIPFSや、libp2pなどのP2P通信プロトコルを開発しています。いずれも後述しますが、オープンソースで公開されているIPFSやlibp2pはブロックチェーン業界では、既に広く使われ、今後も様々なP2Pプロジェクトに組み込まれるプロトコルになる見通しです。
Filecoinは、Protocol LabsによるIPFSやlibp2pとは別のプロジェクトですが、IPFSやlibp2pとも関わるプロジェクトです。そのため本レポートでは、IPFSやlibp2pについても触れた上で、Filecoinの解説に進めていきます。今回は、開発企業Protocol Labs・IPFSなどの概念・加えてFilecoinを広く全体像を掴むことを目的とします。
このような物理的資源が必要なネットワーク経済をトークンをはじめとしたWeb3の仕組みでブートストラップするプロジェクトはDePINと呼ばれ注目されています。DePINの概要、主要プロジェクト郡の総論については、以下の関連レポートで解説しています。
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