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Ethereum上のガスを擬似的に保管して再利用するガストークンの概要

2020年07月09日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • GasTokenの概要
    • 表面的な理解
    • 疑問
    • 裏側の仕組み
    • GasTokenを使う理由
    • GasTokenの利用が合理的である場面
  • 1inch Chi Tokenの生成方法
    • Chi Tokenの生成
  • GasTokenの生成を売却で利益は出せるか
  • 総論

前提

本レポートではEthereum上のガスを擬似的にトークン化し売買することのできるGasTokenの解説を行います。Ethereum上でトランザクションを生成したりコントラクトを動かしたりする際にはガスが消費されます。ガスはスパムを防いだり、コントラクト(=プログラム)がバグによって永遠に動き続けてしまうのを防いだりするために導入されており、支払われたガス代はマイナーの報酬としてブロック報酬と一緒に与えられます。
消費されるガスの総量は実行するコントラクトによって大体決まっており、Etherの送信は非常に安い一方で、例えばSynthetix上でトークンを発行したり、Instadapp上でレバレッジをかけてCompoundでレンディングしたりすると数ドル~数十ドル相当のガス代がかかります。
ユーザーが支払うガス代は消費されるガスの総量に単位あたりのガス価格をかけあわせたものなので、前者が多くても後者が安ければコストを抑えることができます。ガス代は1日単位でも大きく変動します。
例えば現時点では日本時間の早朝はガス代が安く、午後からは高くなる傾向がありますので、早起きしてトランザクションを生成するか、早朝のガス代を基準にトランザクションを生成して翌朝まで待つと安いガス代でトランザクションをブロックに取り込ませることが可能です。
本レポートで紹介するGasTokenを使ってガスを予め安く仕入れておくことで、特に多くのガスを消費するコントラクトを生成する場合に手数料を削減することが可能です。最近では、コントラクトが複雑になっており、複数の動作を一つのトランザクションで完了させるフラッシュローンやロボアドバイザーのような働きをする自動リバランス、InstadappのDeFi Smart Accountなど一回のトランザクションで多くのガスを消費するケースが多いためガス代を使う合理性があります。
以下では、GasTokenの概要と投資対象としてのGasTokenを見ていきます。
*参照レポート:Ethereumガスシステムの未来と過去
https://hashhub-research.com/articles/2020-06-20-ethereum-gas-systems-future-and-past
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。