3月12日、市場暴落時にMakerDAOのエコシステム何が発生したかを概観する
2020年03月15日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- 【MakerDAO】オークション不具合で$5Mの負債
- 【レンディング】担保資産の清算
- 【DEX】出来高が急増
- 総論
前提
本レポートでは、3月12日からの仮想通貨市場暴落において発生した副次的な出来事を総括します。ブロックチェーン技術自体はトークンの価格とは無関係ではありますが、金融の側面が強く、またDeFiをはじめとして金融領域の機能をブロックチェーン上に複製したサービスもあるため、市場での混乱はブロックチェーン上のアプリケーションにも深刻な影響を与えます。
また本レポートでは論じませんが、PoW、PoSともにパブリックブロックチェーンのセキュリティ(=攻撃コスト)はネイティブコインの市場価格に比例します。多くのマイナーは、おそらく自社がマイニングするコインをオプション市場で空売りしておき、USD建てでノーポジションにしているため、すぐにマイニング事業に影響が出るとは限りませんが、少し時間をおいて、マイニングファームの一時的な停止や廃業が発生する可能性があります。その場合、市場価格の暴落に付随する形でハッシュレートが下がり、攻撃コストが下がることでセキュリティが弱化します。Bitcoinのように、専用のASICが必要で、時価総額の大きなコインについては問題ないでしょうが、時価総額が小さくGPUマイニングが主流のコインに関しては、すぐにでもハッシュパワーのレンタルを通じた攻撃が起こっても不思議ではないことは注意してください。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。