暗号資産/ブロックチェーン業界の資金調達トレンド分析 - 2025年7月レポート
2025年08月05日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 1.2025年7月の資金調達件数と調達額の推移
- 2.カテゴリー別の資金調達動向
- 2.1. AI×ブロックチェーン事例
- 2.2. RWAとステーブルコインの市場への浸透
- 2.3. ゲームの高品質化とプレイヤー体験の向上
- 2.4. インフラとツールのエコシステム構築
- 3.投資活動の活発な上位投資会社とその出資傾向
- 3.1.Coinbase Venturesの出資動向
- 3.2.主要M&A事例から見る市場動向
- 総括:【2025年7月】資金調達トレンドのまとめ
本シリーズでは、どのような暗号資産/ブロックチェーン関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、資金調達の最新の傾向とパターンを解説します。
今回は2025年7月の調査分析結果を共有します。
※本レポートの掲載チャートにおける「$_M」は該当期間の資金調達総額を示し、「(_cases)」は資金調達を行ったプロジェクトの件数を指しています。資金調達が行われたと報告されているものの、調達額が非公開の場合は件数としては含めていますが、総額の算出には含めていません。また、本レポートは当該期間のすべての資金調達情報を完全に網羅しているわけではありませんので、ご了承ください。
1.2025年7月の資金調達件数と調達額の推移
2025年7月の暗号資産・ブロックチェーン分野における資金調達は、件数では79件となり、6月に比べて増加。一方で、調達総額は約13億ドルと前月を下回りました。ただし、調達額が公表されていない案件も多く、この点が総額の減少に影響している可能性があります。
全体としては、プロジェクト数の増加と非公開案件の増加を踏まえると、依然として市場には回復の勢いがあり、前向きな動きが続いていると言えるでしょう。
2.カテゴリー別の資金調達動向
2025年7月は、調達された金額の大きさで見ると、注目されたのはミームコインのローンチパッド(Pump.funのトークンセール)、マイニング関連(TWL Miner等)、中央集権型取引所(CEX)、ステーブルコイン関連のプロジェクトでした(図2参照)。
一方で、件数の多さという点では、AIやRWA(実世界資産)とブロックチェーンを組み合わせた新しいプロジェクトが多くの資金を集めていました(図3参照)。
このような動きをふまえ、今月は特に注目された4つのテーマに絞って、それぞれの資金調達の傾向を個別に紹介していきます。
2.1. AI×ブロックチェーン事例
2025年7月、最近のトレンドを反映する形で、AI(人工知能)とブロックチェーンを組み合わせたプロジェクトへの大規模な投資が引き続き行われており、これが今後のテクノロジーの流れを形作る重要な潮流となっています。
この分野では、AIを活用した「ガバナンス(意思決定)」「取引」「インフラの整備」など、さまざまな分野で新しいソリューションが登場しています。
たとえば、Quack AIというプロジェクトは、分散型の組織(DAO)向けにAIによるガバナンス機能を提供しようとしており、投資家から360万ドルを集め、ブロックチェーンの世界にAIを組み込んだ新しい意思決定の仕組みをつくろうとしています。AIの力で、ネットワークの運用をより効率的にし、ガバナンスをシンプルにすることが目標です。
また、DeFi(分散型金融)の分野では、
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。