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中国における暗号技術の標準化・知的財産・罰則を定めるCrypto Lawの概要

2019年11月07日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • Crypto Lawの概要
    • Core CryptographyとCommon Cryptographyの概要
    • Core CryptographyとCommon Cryptographyの運用方法
    • Commercial Cryptographyの概要
    • 罰則について
  • その他の項目
  • 日米の類似ケース
    • 日本のケース(CRYPTREC暗号リスト)
    • 米国のケース(NSAとNIST)
  • 今後予想される動き
  • 総論
  • 参考

前提

中国で『密码法(Mìmǎfǎ)』という法律が採用されました。密码法は5章44条からなる法律で、2020年1月1日に施行されます。明記はされていませんが、「デジタル人民元への布石ではないか」と反応されており、また先日のレポート
*レポート:『習近平国家主席のブロックチェーン重視により中国人はパブリックチェーンとプライベートチェーン両方で覇権を取るか』
https://hashhub-research.com/articles/2019-10-31-china-blockchain
でもお伝えしたとおり、中国は人工知能やビッグデータに加えてブロックチェーンに注力することを表明していることからも分かるように、これらの情報科学分野における基礎として暗号に関する法律を制定しているとみて良いでしょう。
密码は中国語でパスワードという意味ですが、この法律で焦点が当てられているのは暗号です。暗号関連アプリケーションの標準化や管理、人材育成の奨励、悪用時の罰則などが記載されています。
本レポートでは、『密码法』を概観していきます。こちらの法律に関しては金色財経のような専門メディアやTwitterでの著名中国人も概要を伝えるに留まり、発展的な解釈を加えるには至っていません。故に、こちらでも現時点で明らかになっている情報を中心に概要を掴んでいきます。また、便宜上の理由から英語表記として主に使用されている「Crypto Law」という表記を密码法の代わりに使用します。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。