本レポートでは、増加する暗号通貨のデリバティブ商品と大手証券ブローカーの参入という2つのテーマで、中期にマーケットに影響を及ぼす重要なニュースを概観し、後半でそれらの影響から市場構造がどのように変化するか筆者の予想を述べます。

これらの先物商品の増加や証券ブローカーの参入は、現在の「暗号通貨取引所」を各ベンチャー企業が運営する現在の構造を変えることになることは金融の業界者であれば、想像に難しくないはずです。
2019年前半時点で最も影響力のある取引所は、BinanceとCoinbaseの2社ですが、この構造も少なからず変わるでしょう。
2社についての2019Q1時点でのレポートは下記で配信しています。

＊レポート：世界最大の取引所Binanceの2019Q1の状況。および2019年時点での戦略など
https://hashhub-research.com/articles/2019-04-25-binance-2019q1

＊レポート：米国最大の取引所Coinbaseの2019Q1の状況。2018年までの収益の推移、および2019年の売上予想
https://hashhub-research.com/articles/2019-04-25-coinbase-2019q1

本レポートの閲覧者は金融に決して強い関心がない人もいるであろうことからその前提で執筆をします。
また、暗号通貨という新しいアセットクラスの特殊性からも、既存の暗号通貨取引所の顧客が証券ブローカーに全て置き換わるとも筆者は考えていません。

後半の予想部分については、筆者の私見も大いに混ざっていることを留意しておきます。