ERC721をブロックチェーン上の金融のコンプライアンスや信用スコアリングに応用する取り組みについて

目次

  • 前提・信用スコアリングの重要性
  • ERC721によるアイデンティティ、コンプライアンス、与信管理
  • WyreによるERC721のコンプライアンストークン
  • ETHLendによるERC721での信用スコアリング
  • 総論

前提・信用スコアリングの重要性

MakerDAOや0x、CompoundなどでEthereum上のアセットの交換・貸借などの金融取引を行うDeFi(分散型金融)がムーブメントになっていることは、すでに過去のレポートでも取り上げました。

現在のEthereumの分散型金融のほとんど全てのプロジェクトは、スマートコントラクトに担保資産を預け入れして別のアセット(資産)を借入し、担保資産の価値が毀損した場合は、スマートコントラクトによって担保資産を没収できるということが、コアな機能になっています。

しかし、現在の分散型金融には、従来金融で使われている重要な要素である与信調査という機能がありません。

現在の分散型金融では、担保資産がある人しか借入が行えず、従来の金融に比べて機能が限定されます。
分散型金融が今後より拡大するためには、または従来金融に近い機能も獲得をするには、与信調査という機能が必要であり、クレジットスコアリングをしたうえで担保資産がない人にも、リスクに応じた金利を提示して貸出を行える必要があります。

基本的に多くのプロジェクトに共通する思想として、信用スコアリングという機能は、1社のみが信用を評価するのではなく、分散的・P2Pで実現できればそれが望ましいという考え方があります。

加えて、コンプライアンス・KYC(Know Your Customer)の観点においては、DEXにも、KYCとコンプライアンスの機能は確実に必要になることです。

ユーザーの資産は預かっておらず、スマートコントラクトをデプロイしているだけであるといくら主張したところで、KYCが出来ていないアドレスでマネーロンダリング取引が行われたときに対処できないようでは、金融機能として今以上に大きく拡大することはありません。

分散型金融でも、スコアリングとコンプライアンスの機能は必要不可欠であり、今後これらの開発を進展させるべく、多くのプロジェクトが立ち上がっています。

具体的なプロジェクトとしては、Bloom、Colendi、SpringLabなどがあります。

また、コンプライアンス・信用スコアリングが関わる領域であれば、IDなども含まれる可能性があり、Ethereum上のIDの規格として、ERC-725が既に実装されているなどします。

分散型金融が拡大する上で、分散型信用スコアリングは必要不可欠な機能であると断言できます。

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