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ブロックチェーンで実現する分散型予測市場の可能性 Augurの仕組み、問題点、現状を理解する

2019年01月17日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 導入
  • ブロックチェーン上で分散型予測市場が実現できると、どのようなメリットがあるか
  • 分散型予測市場プロトコル、Augurの概要
  • Augurでの予測市場作成と運用のサイクル
    • 1.マーケットの種類を選ぶ
    • 2.予測市場をつくる
    • 3.予測市場が開かれる
    • 4.レポーターが結果報告する
    • 5.シェアの保持者への支払い
  • 作成できる予測市場の形式、種類
  • 予測市場作成者のためのインセンティブ設計(Crater Fee、 The validity bond、No-Show Bond の解説)
    • ・Crater Fee
    • ・Validity Bond
    • ・No-Show Bond
  • マーケット作成後、予測市場ではどのようにトレードが行われるか
  • レポーティング。現実世界の結果をブロックチェーン上に反映する方法
  • レポーティングの内容に異議があった場合(dispute round)
  • トレーダーが支払う手数料とはなにか(settlement fee)、またその受け取り手
    • ・Crater Fee
    • ・Reporting Fee
  • REPトークンの概要、REPトークンの設計の考察、価値表現方法
  • Augurの現在の問題点と、それらはどのように解決されるべきか
    • 暗殺市場の登場
    • 中間選挙で明らかになった曖昧な選択肢の提示の問題点
    • ユーザーの少なさ
  • Augurと0xの2つのプロトコルを使ったVeilの登場。サードパーティー製のアプリケーションへの期待
  • ツール・リンク集
  • 総論

導入

本レポートでは、分散型予測市場、および分散型予測市場の代表的なプロトコルであるAugerについて概観します。
分散型予測市場とは、賭け、デリバティブなどにも利用できますが、本来的な目的はあくまで未来予測です。
群衆の叡智を利用して未来予測を効率的に行えるという考え方があります。
ジャーナリストのJames Surowiecki氏が2004年に出版した著書、「The Wisdom of Crowds(邦訳:みんなの意見は案外正しい)」にあるように、多様性のある群衆が未来予測を行うと予測の精度が高まるという理論です。
この予測市場をブロックチェーンで分散的に構築する取り組みがあります。
その代表的なものが、Augurです。
Augurは、2018年7月にメインネットがローンチしており、すでに稼働を開始しています。
Augurは賭け、ベッティングという側面も強いですが、大前提として予測市場であり、やはり未来予測を目的としています。
ConsenSysのEvan Van Nessは、Augurを「Uber for knowledge」と表現しています。
( 参照:https://www.evanvanness.com/post/130187978661/augur-uber-for-knowledge )
Augur以外のその他の事例として、GnosisやSTOXといったものもブロックチェーンを利用した予測市場のプロジェクトとして存在しますが、本レポートではこの分野で最もポピュラーなプロジェクトであるAugurについて概観をします。
Augurのような予測市場のアーキテクチャは、スポーツベッティング・保険・デリバティブなどの金融商品など多用なものに応用が可能であると期待されています。
本レポートでは、その可能性と、現在明らかになっている問題点、具体的な仕組み、アーキテクチャを概観することを目指します。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。