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オープンソースソフトウェアを扱う企業はどのようにビジネスモデルを構築するか

2018年11月19日

目次

  • 前提:何故、今オープンソースを活用するビジネスモデルを学ぶ必要があるのか?
  • オープンソースの簡単な歴史
  • オープンソースを利用したビジネスモデル
  • オープンソースに貢献・活用し、成長している企業(1)RedHat
  • オープンソースに貢献・活用し、成長している企業(2)Cloudera
  • オープンソースに貢献・活用し、成長している企業(3)Elastic
  • オープンソースに貢献・活用し、成長している企業(4)Zeppelin
  • オープンソースに貢献・活用し、成長している企業(5)Bockstream
  • 総論

前提:何故、今オープンソースを活用するビジネスモデルを学ぶ必要があるのか?

暗号通貨・ブロックチェーン業界ではソフトウェアやアプリケーションがオープンソースである割合が非常に多いです。
具体的には、パブリックブロックチェーンのクライアントそれ自体(bitcoin core、Ethereum gethやparity)、サードパーティーのウォレット(green address、copay)、開発者ツール(element、ZeppelinOS)などです。
少なくとも、トラストレスや運営社に信頼が必要ないと説明されるようなソフトウェアやサービスでは、コードが公開されていることは、十分条件ではなく必要条件です。
コードが公開されていなければ、クローズドコードの中に利用者の資産(秘密鍵)を捕捉できるバックドアがある可能性を否定できなくなりますので、秘密鍵が関わるソフトウェアでは、クローズドコードが含まれる時点で少なくとも”トラストレス”ではなくなります。
例えば、現在TrezorやLedgerなどがハードウェアウォレットを販売していますが、これもハードを構成しているソフトウェアはオープンソースです。
オープンソースでなければ信頼がされないからです。(正確にはLedgerには一部クローズドソースが含まれ、これは時折批判されている点でもあります。)
秘密鍵や署名が関わる暗号通貨関連のソフトウェアというとかなりの割合がそれにあたることから、結果としてオープンソースであることが多くなります。
また、秘密鍵や署名に関わるサービスでなくとも、慣例的にオープンソースであることが望ましいといったコンテキストを持つような人たちは、他業界と比べると多数派だと言えます。
従来ソフトウェアをオープンソースにすることは、コードをオープンにして、世界中の開発者がコントリビュートでき、開発を加速し、またソフトウェアのメリットをより多くの人が享受できるようにするということが大きな動機でした。
暗号通貨およびブロックチェーンの世界では、この動機も依然強く残しながら、トラストレスの必要要件としてのオープンソースという従来にはない動機を加えています。
とはいえ、コードがオープンソースになると、競合や新しいサービスは簡単にコピーができます。
つまり、端的にいえば、オープンソースでありながら、ビジネスを構築することは容易ではないということです。
そのことからネットワーク効果を加えて、ソフトウェアの防御性を上げなくてはいけないということの説明を、Union Square VenturesのFred Wilsonの「歯科医のソフトウェア」を例に下記のレポートで以前に解説しました。
また、「レポート:ブロックチェーンのガバンスモデルについて。トークンを用いたソフトウェアのアップデートを熟慮する」では、ZRXなどのガバナンストークンの価値は、オープンネットワーク効果を可視化させたものであり、そのトークンの参考価値はフォークするコストとニアリーイコールなのではないかと主張を述べました。
こういったガバナンストークンを構築することや、ガバナンストークンがなくとも他の要素でネットワーク効果を構築し、オープンソースでありながらビジネスモデルを組んでいくことが重要であると上記のレポートでは説明しました。
とはいえ、上記の事例だけでは、オープンソースを活用するビジネスモデル事例としては十分ではないですし、その他にもオープンソースを活用し、自社ビジネスを伸ばしている企業の事例は多くあり、本レポートではそれらをカバレッジしていきます。
オープンソースを活用してビジネスを行う企業は、当然、ブロックチェーン以前から存在をしています。
ブロックチェーン業界のプレーヤーがそれらの事例から学ぶべきことは非常に多くあるはずです。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。

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