【論考】誰が鍵を持つのか——ビットコインの機関化が問い直すもの

2026年04月10日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

要旨

ビットコイン現物ETFの近年の急成長により$88B相当のBTCが機関の管理下に入り、米国上場ETF上位7本中6本の秘密鍵をCoinbase Custodyが握っている。本稿はこの機関化を二つの層で読み解く。
第一に、実務的な問い——「誰が鍵を安全に持てるか」。民間カストディアンへの集中はハニーポットリスクを生み、韓国国税庁の事例が示すように政府機関でも鍵管理は失敗する。非カストディアルへの回帰は機関の受託責任・内部統制要件と構造的に相容れない。SAB 122施行を機に米国では伝統金融機関の参入が進む現在、分別管理と規制監督に裏打ちされた複数カストディアン構造が実務的な答えとして輪郭を見せ始めている。
しかし第二に、より深い問いが浮かび上がる——機関化は「ビットコインの本質的な性格を変えてしまう選択」ではないか。米・イスラエルによるイラン攻撃後、現地の人々はローカルの金融機関でも取引所でもなく、プライベートウォレットへ資金を移した。機関が保有するビットコインの比率が高まるほど、第三者への信頼依存を必要としないよう設計されたプロトコルの上に、信頼依存の構造が積み重なっていく。カストディの問いは、鍵の所在の問いではない。「ビットコインは何になっていくのか」という問いだ。
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