Moonbirdsに現れた出来高増 —— データが示す流動性の行方:NFTマーケットレポート【26年1月】

この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 【前編】NFT市場は止まっているのか —— Ethereumを軸に1月の動きを見る
    • 前編総括
  • 【後編】
    • 前提:Moonbirdsの出来高増は何が起きたのか
    • $BIRBのトークノミクス発表と、「meme to machine」仮説
    • $BIRBはフライホイールを回し切れるか
  • 総括
2026年1月のNFT市場は、出来高は動くが、取引は動かないという歪な状態が続いています。

一時的な出来高スパイクは見られるものの、取引件数は戻らず、新たな参加者が増えている様子は確認できません。ただし、止まっているのは市場全体であって、すべてのNFTが同じように沈んでいるわけではありません。
今回のレポートでは、Ethereumを中心に、この停滞した市場の中で例外的に動きが見られる領域をデータから整理していきます。前半では市場全体の状況を俯瞰し、後半ではその代表例として浮かび上がるMoonbirdsを取り上げ、この“選別”がどのように起きているのかを見ていきます。

【前編】NFT市場は止まっているのか —— Ethereumを軸に1月の動きを見る

[文責:masao i]

図表1:出来高のスパイクはあるが、取引は戻っていない
図表1は、2025年7月から2026年1月末までのNFT市場の日次推移です。上段が出来高(USD)、下段が取引件数をチェーン別に積み上げています。
ここで分かるのは、出来高が跳ねる日があっても、取引件数はほとんど増えていないという点です。
特に1月後半の出来高スパイクは、Andre Cronjeによる新作DeFi dApp「Flying Tulip」に関連するNFT鋳造コストが大きく寄与しています。これは出来高としては計上されますが、従来のNFT二次流通や投機的売買の回復を意味するものではありません。
つまり、数字上は動いているように見える局面があっても、NFTの売買が活発化しているわけではない状態が続いています。
図表2:出来高はEthereumのみ微増、取引件数はBaseのみ増加
図表2は、12月と1月の月次変化を示したものです。
  • 出来高が増えているのはEthereumのみ
  • 取引件数が増えているのはBaseのみ
  • その他のチェーンは横ばい〜減少
NFT市場が回復しているというよりも、特定のチェーンで、特定のタイプのフローだけが増えている状況に近いと言えます。
なお、Ethereumの出来高増は、前述のFlying Tulipの影響が大きく、市場全体の回復とは性質が異なります。
図表3:Flying Tulipを除くと、実際に動いているのはごく一部のコレクションだけ
図表3は、直近30日とその前30日を比較したコレクション別の出来高変化です。
最も大きな増加を示しているのはFlying Tulipですが、これはDeFiプロダクト利用に伴うNFT鋳造コストが大半を占めます。
この影響を除いて見ると、実際に資金の動きが確認できるのはごく限られたコレクションに絞られます。
その中で目立つのが、
  • Moonbirds
  • CryptoPunks
  • Good Vibes Club
といったコレクションです。
特にMoonbirdsは、通常のNFT売買という文脈で、出来高・増加幅ともに最も分かりやすく浮かび上がる存在になっています。

図表4:低迷する市場の中で、Moonbirdsが相対的に浮かび上がる
図表4は、Ethereum上のコレクションを出来高(横軸)×取引件数(縦軸)×前月比出来高変化(バブルサイズ)で可視化したものです。
全体を見ると、ほとんどのコレクションが左下に密集しており、売買がほとんど成立していない状態です。その中で、Flying Tulipを除いたとき、Moonbirdsのバブルが明確に浮かび上がっていることが分かります。
これはPFP全体が回復していることを意味しません。
起きているのは、「この環境でも売買が成立すると見なされた、限られたコレクションにだけ流動性が集中している」という状態です。
その代表例として、最も分かりやすく現れているのがMoonbirdsです。

前編総括

1月のNFT市場は、取引件数が戻らず、広範な売買が成立する環境にはありません。出来高の増加も、Flying Tulipのような特殊要因によるもので、市場回復とは異なります。その一方で、この弱い市場環境の中でも、売買が成立すると見なされたごく少数のコレクションにだけ資金が集中している状態が確認できます。
その動きが最も分かりやすく現れているのがMoonbirdsです。
次の【後編】では、このMoonbirdsの出来高増がなぜ起きているのか、時間軸や取引の構造を重ねながら、この“選別”の背景を掘り下げていきます。
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