Pudgy Penguins はなぜ伸びたのか? 前月比+25.13Mドルの出来高増を読み解く:NFTマーケットレポート【25年10月】
2025年11月06日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
2025年10月、NFT市場では何が注目を集め、その背景にはどのような要因があったのか。
本レポートでは、市場データから際立った動向を抽出し、とりわけ注目すべきプロジェクトを特定。その背後にある事業戦略を整理し、それがいかに機能したのか──成功要因、あるいは失敗要因を深掘りして検証し、そこから得られる示唆を、NFTを活用した事業の参考にしていただくことを目的としています。
本レポートでは、市場データから際立った動向を抽出し、とりわけ注目すべきプロジェクトを特定。その背後にある事業戦略を整理し、それがいかに機能したのか──成功要因、あるいは失敗要因を深掘りして検証し、そこから得られる示唆を、NFTを活用した事業の参考にしていただくことを目的としています。
まず前編で10月のNFT市場を振り返り、その全体像と牽引役となったプロジェクトを整理し、後編では、とりわけ注目を集めたPudgy Penguinsをケーススタディとして取り上げ、主要指標や関連する出来事を手掛かりに「なぜ注目されたのか」を検証します。
【前編】10月のNFT市場を振り返る:市場全体の変化と牽引したプロジェクト群
[文責:masao i]
図表1.NFT市場 日次推移:出来高[上]・取引件数[下](2025年4月〜10月)
2025年10月のNFT市場は、Ethereumが出来高を牽引。夏場に一度盛り上がった後に沈んでいた市場は、10月に入って再び回復基調を見せました。特に10月前半は大きな盛り上がりを記録しましたが、後半はやや勢いが鈍化。
一方で取引件数は、先月後半から勢いづいたBaseが引き続き順調に拡大しています。
図表2では、出来高[左]と取引件数[右]について、9月から10月にかけて変化量が大きかった上位5つのチェーンを可視化しています。
ご覧の通り、Ethereum・Base・Avalancheは出来高を伸ばし、取引件数ではBaseが増加した一方、Ethereumなどは減少傾向。つまりEthereumは「単価の高い取引」が多く、Baseは「件数を増やしながら出来高も拡大」したことが分かります。
では次に、EthereumとBaseそれぞれで、具体的にどんなコレクションが取引をけん引したのかを見ていきましょう。
図表3は、Ethereum(青)とBase(橙)上の出来高上位50コレクションを「出来高(横軸)×平均価格(縦軸)×出来高増加量(バブル大きさ)」で示したバブルチャートです。
ご覧の通り、Ethereumは全体的に取引単価が高く、出来高も優勢。その中でも Pudgy Penguins が前月比+$25.13Mと突出し、次点のChecks - VV Originalsが+$10.84Mで続きます。
一方、Baseは平均取引単価・出来高ともに小ぶりですが、健闘するプロジェクトも見られます。とくにDX Terminalが+$23.82Mと、Pudgy Penguinsに匹敵する伸びを記録。次点のpix cat+$6.85Mと差が開き、Base市場を実質的に牽引している姿が浮き彫りになります。
つまり10月は、Ethereum・Baseともに「突出した単一プロジェクトが市場全体を押し上げる」局面となった月だったと言えます。
その中でも、とりわけ市場全体の議論・注目を集めたのが Pudgy Penguins です。
その中でも、とりわけ市場全体の議論・注目を集めたのが Pudgy Penguins です。
次の後編パートでは、この Pudgy Penguins をケーススタディとして取り上げ、
- 誕生から現在に至る転換点のおさらい
- その戦略がどのように現在の存在感へ結びついているのか
- 10月中旬の出来高急増の背景
を、具体的な事例および10月の取引データとともに読み解いていきます。
単なるNFTプロジェクトから「Web3発のグローバルIP」に変貌したその裏側には、クリプト市場だけを見ていては見落とされがちな構造的な変化があります。
続きは後編にて、踏み込んで解き明かします。
単なるNFTプロジェクトから「Web3発のグローバルIP」に変貌したその裏側には、クリプト市場だけを見ていては見落とされがちな構造的な変化があります。
続きは後編にて、踏み込んで解き明かします。
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