連載:カードRWAで読み解く「新しい資産化のフロンティア」|第2回:トレカRWA✖️ガチャ事業「Collector Crypt」のビジネスモデルを徹底解剖する

2025年09月09日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
前回は「なぜカード市場がRWA化しているのか」を見ました。今回は、ソラナ発のCollector Crypt(以下、CC)がなぜここまで売上と話題を獲得できているのかを、プロダクト設計と収益動線の両面から解きほぐします。

1. ガチャが中核にある理由― 「引き得」による集客エンジン

図1.Collector Cryptガチャマシン画面(一部筆者補足。出所:https://gacha.collectorcrypt.com/)
Collector Cryptの象徴は、やはりガチャ型の販売です。
1回の価格は50USDC(約50ドル)。期待値(EV)は常に50ドルを上回るよう設計されており、直近の表示は53.72ドルでした。(図1)
排出設計は以下のとおりです。
  • Commons:$30〜$60(80%)
  • Uncommon:$60〜$110(15%)
  • Rare:$110〜$250(4%)
  • Epic:$250〜$2,000+(1%)
さらに、カードはフロア価格の85%で即時買い戻しが可能です。
ユーザーは“宝くじを買う”感覚でガチャを回し、当たりカードは即座にNFT化されます。そのNFTは外部マーケットで売却できるため、「開封の興奮」と「即売りの流動性」が同時に成立します。(※なお、現物カードを欲しいときは、NFTをバーンする必要があります。)
例えば50ドルで回したガチャから300ドル評価のピカチュウが出た場合、その場でNFT化し、ワンクリックで売却すれば数分後にはUSDCがウォレットに着金します。従来ならeBayで数日かかっていた取引が、数分で完了するUXこそがCollector Cryptの中毒性を生み出しているのです。

2. Collector Cryptの収益源

「ガチャで儲けているのでは?」と思われがちですが、実際は少し違います。Collector Cryptはガチャ自体をプラスEV(期待値をプラス)に設計し、“引き得”を感じさせることでユーザーを集めています。1回50USDCのガチャに対して期待値は常に50ドルを上回り、直近では約53.7ドル。この時点で、Collector Cryptはガチャ単体の利益ではなく、利用者を呼び込みエコシステムを回すことを優先していると分かります。
その先にあるのが、本当の収益源です。
このレポートは有料会員限定です。
HushHubリサーチの紹介 >
法人向けプラン >

※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。