連載:カードRWAで読み解く「新しい資産化のフロンティア」|第1回:なぜ“カードRWA”が急拡大しているのか
2025年09月04日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
連載のはじめに
不動産や国債、金などの伝統的な資産をトークン化する「RWA(Real World Asset)」は、いま金融業界で最も注目されるテーマの一つです。とはいえ、それらは規模が大きく、参入障壁も高いため、多くの投資家にとっては遠い世界の話に感じられるでしょう。
そこで本連載では、もう少し身近で、しかも熱狂的なユーザー体験を伴う「カードRWA」に焦点を当てます。世代を超えて多くの人が遊んできたトレーディングカード──ポケモンカードや遊戯王。これがブロックチェーンと結びつき、どのようにして新しい資産化の実験場となっているのかを追いかけます。
そこで本連載では、もう少し身近で、しかも熱狂的なユーザー体験を伴う「カードRWA」に焦点を当てます。世代を超えて多くの人が遊んできたトレーディングカード──ポケモンカードや遊戯王。これがブロックチェーンと結びつき、どのようにして新しい資産化の実験場となっているのかを追いかけます。
子どもの遊びから「資産」へ
もしあなたが子どもの頃、友だちと「リザードン1枚とカイリュー2枚を交換!」なんてやり取りをしたことがあるなら、すでに小さな市場経済を体験していたわけです。
20年以上が経ち、その遊びは今や数十億ドル規模の“本物の市場”になり、ブロックチェーンと結びつくことで「金融資産」に近い存在に変わりつつあります。
20年以上が経ち、その遊びは今や数十億ドル規模の“本物の市場”になり、ブロックチェーンと結びつくことで「金融資産」に近い存在に変わりつつあります。
伝統的RWAと比べると
RWA(Real World Asset)というと、不動産や国債、金といった“堅実な資産”を思い浮かべる人が多いでしょう。
- 不動産 → 1棟ビルを分割してトークン化すれば、小口投資が可能になる
- 国債 → ブロックチェーン上で24時間売買可能になれば、より流動的に資金調達できる
ただ、こうしたRWAは巨大である一方、規制や参入コストが高く、一般の投資家にとってはやや遠い存在です。
一方でカード市場はどうでしょう?
- 市場規模は60〜70億ドルと小さめですが、熱狂的なファンが世界中に存在します。パンデミック期には、初版リザードンが約42万ドルで落札されたり、YouTuberのLogan Paulが約527万ドルで「ピカチュウ・イラストレーター」カードを購入してギネス記録となったりと、社会現象に近い盛り上がりを見せました(参考:Catch ’em all! How Pokémon cards came to fetch millions, FT)。
この熱量が、カードを「次のRWA実験場」に押し上げています。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。