WBTCおよびBTC代替トークンの現状
2024年08月16日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- WBTCの現状、そもそもラッピング資産に潜むリスクとは
- WBTCの現状
- そもそもラッピング資産に潜むリスクとは
- BTC代替トークンの現状
- WBTCおよびBTC代替トークンの方向性を考察する
- 総括
前提
本レポートでは、WBTCおよびBTC代替トークンの現状、および今後の方向性について考察を行います。
2024年8月9日、WBTCを運営する米国カストディ大手Bitgo社は、WBTCの事業をBiT Global社との合併事業に移管する計画を発表しました。
これにより、60日以内に現在の米国基盤の管理体制から、香港やシンガポールなどを含む複数の管轄区域で分割管理されることになります。BitGoは、この新しい合弁事業の少数株主となりました。
この事業合併が意味することは、WBTCの運営事業においてJustin Sun氏、およびTronエコシステムとのパートナーシップ参画を意味するものと解釈されています。
この発表を受け、一部のDeFiプロトコルではWBTCを扱う懸念に対して議論が生まれています。例えばMakerDAOではWBTCを担保資産として制限し、DAIの借り入れ上限をゼロに設定しました。なお、既存のポジションは清算されません。
このような影響が出る中、そもそも今回の発表はどのようなリスクがあるとされているのか、WBTC以外のBTC代替トークンを利用したほうが良いのか、といった不安が生まれているはずです。
今回は、そのような読者を想定し、WBTCやBTC代替トークンの現状理解を深め、短期から中長期でどのような方向性となるか筆者の考察を行います。
WBTCの現状、そもそもラッピング資産に潜むリスクとは
WBTCとは、Wrapped Bitcoinを意味するもので、Bitgo、Crypto.com、Galaxyなどのカストディアンが保管するBTCを担保に1:1で発行されるERC-20トークンです。Ethereumなどでスマートコントラクト上でBTCを扱うことができるようになります。
WBTCの現状
償還状況を見ても大きな混乱は起きていませんが、Crypto.comやGalaxyから、8月11日以降から償還が行われています。
月あたりの供給量の推移とデイリー取引量は以下になります。特に大きな変化はありません。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。