Solana/SOLに寄せられるETFの期待、懸念材料は?
2024年07月25日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- 市場の期待とセンチメント
- GSR MarketsによるSOL価格予想
- VanEckによる米国初のSOLスポットETFの申請
- オンチェーンデータからみるSOLファンダメンタルズ
- 懸念材料は何か?
- SOLの米国における証券性
- 先物ETFが承認されていない
- 総括
- 参考記事
前提
SOLの価格が上昇しています。7日前から執筆現在では、およそ5%の上昇です。1ヶ月前は126ドルだったのに対し、直近の高値は184ドルにタッチしており、30%以上の上昇を記録しました。
この背景としては、
- 市場のセンチメント:SOLスポットETFが米国で承認される期待
- 好調なファンダメンタルズ:TVL、取引量、アクティブユーザー
があると考えられます。
本レポートでは、市場の期待がどのように形成されているのか、好調なファンダメンタルズの現状理解を深めることを目的に、言説やオンチェーンデータを参照しつつまとめます。
読者はこのレポートを通じて、SOLの価格が上昇している背景や、今後中長期的にSOLに対する投資判断の参考となる情報を得ることができるはずです。
また、懸念材料としてはどのようなことが考えられるのか筆者の考察を行います。
市場の期待とセンチメント
米国でETHスポットETFの取引が承認され、7月23日より申請された全ての商品の取引が開始されました。
2024年1月にBTCスポットETFが承認されてから約6ヶ月で取引が開始されることは、市場にとってややサプライズとなりましたが、取引開始までに既に期待が織り込まれていたこともありETHの価格は小幅な下落となっています。
一方で、ETHのETFが承認されたことにより、暗号資産市場の参加者にとっては次のETFにフォーカスが動いています。その筆頭がSOLだというのが一般的な報道の評価だと筆者は理解しています。
一方で、ETHのETFが承認されたことにより、暗号資産市場の参加者にとっては次のETFにフォーカスが動いています。その筆頭がSOLだというのが一般的な報道の評価だと筆者は理解しています。
筆者の感覚では、暗号資産のビッグ3といえばこれまでBTC、ETH、BNBが妥当だと考えていましたが、BNBよりもSOLへの期待の方が高まりがあるようです。
この理由としては、CZ退任を背景としたBinanceの相対的な暗号資産市場での存在感の減少や、BNBチェーンのチェーン間競争における後退があるものと考えています。
関連レポート
Binanceへの巨額罰金・CEO CZの辞任が意味することとは
実際に、DeFiLlamaによればSolanaのTVLはBNBチェーン(BSC)を超えて3位になっています。後述しますが、SOLはその反面でオンチェーンのアクティビティも好調です。このような、力関係の変化を反映しているものと考えられます。
実際に、DeFiLlamaによればSolanaのTVLはBNBチェーン(BSC)を超えて3位になっています。後述しますが、SOLはその反面でオンチェーンのアクティビティも好調です。このような、力関係の変化を反映しているものと考えられます。
GSR MarketsによるSOL価格予想
さらに、リサーチ会社のGSR Marketsのレポートによれば、SOLを暗号資産のビッグ3とした上で、SOLスポットETFの承認によりSOL価格は最大8.9倍になるという非常に強気な予想を出しました。
レポート当時のSOLは149ドルであり、およそ1320ドル以上になるといいます。ベアマーケットのシナリオでも1.4倍という推定を出しています。
参考
参考
なお、GSR Markets社はSOLのロングポジションを保有しているため、ポジショントークが含まれることに留意が必要です。
VanEckによる米国初のSOLスポットETFの申請
また、2024年6月27日、資産運用大手VanEckが米国初のSOLスポットETFを申請したことは市場にサプライズをもたらしました。
発表では、Solanaの分散性や技術的な特性はSOLが証券ではなくコモディティとみなすのに十分であると表明されています。
オンチェーンデータからみるSOLファンダメンタルズ
SOLを支えるファンダメンタルズとして、オンチェーンデータから分かる内容をここではまとめます。
TVL
比較対象をBSC、Arbitrum、Baseとしています。6月は全てのチェーンでTVLの減少傾向がありますが、7月からの上昇局面でSolanaの上げ幅が他のチェーンを上回っている傾向が分かります。
以下は、Solana単体のTVL、ガス手数料、SOL価格を示しています。
DEX取引量
2024年を境に、Ethereumを中心としていた取引が、取引量全体の増加とともにSolanaの占める割合が増加しています。
以下のグラフは、チェーン上のDEXでトークンが初めて買付された日付に基づいてトークン量を計測しています。Solanaで新規トークンが異常なほど発行されていることが分かります。
この背景としては、Pump.funが考えられます。取引通貨の増加時期とPump.funが取引シェアを伸ばしている時期が一致しているからです。
Pump.funは、Solanaのミームコイン発行プラットフォームで、Pump.fun上でも取引が可能です。一定の取引量に達するとSolanaの主要DEXであるRaydiumに流動性プールが開かれる仕組みになっています。
以下のグラフは、チェーン上のDEXでトークンが初めて買付された日付に基づいてトークン量を計測しています。Solanaで新規トークンが異常なほど発行されていることが分かります。
この背景としては、Pump.funが考えられます。取引通貨の増加時期とPump.funが取引シェアを伸ばしている時期が一致しているからです。
Pump.funは、Solanaのミームコイン発行プラットフォームで、Pump.fun上でも取引が可能です。一定の取引量に達するとSolanaの主要DEXであるRaydiumに流動性プールが開かれる仕組みになっています。
関連レポート
Dune参照
アクティブユーザー
2023年10月から、アクティブユーザーは増加傾向で、新規アドレスも増えています。これらの背景としては、以下のレポートにて解説しています。
関連レポート
- Solanaの現状|勢いを見せ独自に成長するエコシステムの基本概要
- SolanaとDePINエコシステムの最前線 ~HivemapperとHeliumエコシステムのいま~
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要約すれば、
- SOLエコシステムでのエアドロップの増加
- Solana中心のハッカソンの開催
- DePINナラティブ
- Solana発のミームコインの増加と局所的なアウトパフォーム
などにあると考えられます。
懸念材料は何か?
ETHのスポットETFが承認されたことが、本当に直接的にSOLの承認にとってポジティブな影響だといえるのでしょうか?以下では、SOLのスポットETFに関する懸念材料を2つ提示します。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。