Binanceへの巨額罰金・CEO CZの辞任が意味することとは
2023年12月02日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- Binanceへの巨額罰金・CEO CZの辞任が意味することとは
- 「暗号資産業界にとってポジティブ」は本当か
- スタートアップからの視点
- 総括
前提
本レポートでは、Binanceへの巨額罰金・CEO CZの辞任が意味することはなにか筆者の視点で論じます。
世界最大の暗号資産取引所であったBinanceは、アメリカ当局と和解するために、同国から撤退して数十億ドルの罰金を支払うほか、5年間監視人を任命することに合意したと11月21日に発表されたプレスリリースで明らかになりました。金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)および米財務省のマネーロンダリング・制裁監視機関である財務省外国資産管理局(OFAC)からの告発をめぐる和解です。
FinCENとOFACは、Binanceがハマスやイスラム国(ISIS)と関係のある個人、北朝鮮などの制裁対象地域の人々、マネーロンダリング業者、悪意のあるハッカーに対して同社のプラットフォームの使用を許したと指摘しました。
支払う罰金は、FinCENに対して34億ドル(約5100億円、1ドル150円換算)、OFACに対して9億6800万ドル(約1452億円)と極めて巨額です。また和解の条件として、創業者であるBinance CEOのCZは同ポジションを辞任します。
また上記の罰金はあくまでFinCENとOFACであってその他の規制機関とも係争中の罰金も含めると$11.4B(約1.6兆円)を上回るのではという指摘もあります。実際の罰金の総額は現時点では明らかにわかっていません。
後任のCEOには、コンプライアンス担当のRechardが就任します。同氏はUAEやシンガポールの規制当局で業務を積んだ経験があり、2021年からBinanceのスタッフでした。CZは「「バイナンスはもう赤ん坊ではない。バイナンスを歩かせ、走らせるときがやってきた。バイナンスが優秀な人材とともに成長し、突出した存在であり続けることをわたしはわかっている」とコメントをしています。
以上が現時点で明らかになっている事実ですが、以降筆者の視点で考察を述べます。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。