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Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #29

2024年07月15日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • #29_資金調達の潮流

前提

本シリーズでは、どのようなWeb3.0関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、その最新の傾向とパターンを解説します。今回の#29では、2024年7月6日から2024年7月12日にかけての資金調達活動を調査し、どのカテゴリーが最も注目を集め、どのような特徴が見られるのかを分析しています。
【今週の主な話題】
  1. JPモルガンとDBSが支援するエンタープライズブロックチェーン「Partior」が6000万ドルを調達
  2. Coinbase VenturesがAmpleforth Foundationの分散型低ボラティリティコモディティ通貨「SPOTプロトコル」に100万ドルを投資
  3. Rome Protocol、Solanaを補助ネットワークとしてEthereum Layer-2ブロックチェーン向けにサービスを提供するために900万ドルを調達
  4. SocialFiプラットフォーム「RECRD」、Sui Foundation主導で400万ドルの資金調達を完了
  5. マルチチェーン検索エンジン「Dora」が、Dragonfly CapitalとLemniscapが共同で主導する550万ドルの初期資金調達ラウンドを完了
※本レポートでは当該期間中のトレンドのみを取り上げて解説します。各プロジェクト概要は添付リストの概要欄及び参照URLをご参考ください。

#29_資金調達の潮流

※グラフ記載の$_Mは当該期間中の調達合計、(_cases)は調達したプロジェクト件数を表しています。なお、資金調達報告は確認されているものの調達額が公開されていない場合は、ケースとしてカウントしてはいますが、調達額の計算には含んではいません。
以下、「2024年7月」「直近1週間」「2024年度Q2」の資金調達の潮流を概説します。

1.「2024年7月」

調査時点で観測している7月の投資ラウンド件数は計51件、公開情報に基づく調達額は約$0.79B(※非公開情報を含まない金額)の資金調達報告を確認しています。

2.「直近1週間」

直近一週間の投資ラウンド件数/週は19件、公開情報に基づく調達額/週は約$132M(※非公開情報を含まない金額)です。

この期間中、公開された資金調達額ではインフラセクター($85.1M)、ツールセクター($20.5M)、DeFiセクター($17.9M)の順に大きく、件数ではインフラ(8件)、DeFi(5件)、ツール(2件)の順に多くの資金調達報告を確認しています。

2.1.JPモルガンとDBSが支援するエンタープライズブロックチェーン「Partior」が6000万ドルを調達

Partior_Website:https://www.partior.com/
JPモルガンとDBSが支援するブロックチェーン決済ネットワーク「Partior」がシリーズBで6000万ドルを調達。投資はPeak XV Partnersが主導し、Valor Capital GroupやJump Trading Groupが参加しました。この資金はPartiorの即時決済能力の拡大に使用されます。

[参考]

2.2.Coinbase VenturesがAmpleforth Foundationの分散型低ボラティリティコモディティ通貨「SPOTプロトコル」に100万ドルを投資

Coinbase VenturesがAmpleforth Foundationの分散型低ボラティリティコモディティ通貨「SPOTプロトコル」の戦略的資金調達ラウンドで100万ドルを投資。
SPOTはCoinbaseがインキュベートしたEthereum Layer 2 Network Baseでのローンチが予定されています。
SPOTプロトコルは、AMPLのボラティリティをシニア(上図のSPOT)およびジュニアトランシェ(上図のstAMPL)に分割することで、ボラティリティを管理し、時間と共に安定した価値を維持するための分散型ソリューションを提供します。
  • シニア・パーペチュアル(SPOT):低ボラティリティの債務的な金融商品で、長期的に安定した価値を提供し、インフレーションに対応します。
  • ジュニア・パーペチュアル(stAMPL):高ボラティリティの株式的な金融商品で、ネットワークの変化を捉え、ステーキングすることで手数料を支払ったり、引き出したりします。
ユーザーはAMPLをデポジットすることで、SPOTとstAMPLをミントでき、これらをAMPLに再交換することも可能。なお、SPOTとstAMPLの合計のボラティリティがAMPLのボラティリティに等しくなるよう設計されているため、適切な割合でSPOTとstAMPLを保有することは、AMPLを保有するのと同等になります。
SPOTのより詳細な仕組みについては公式ドキュメントをご参考ください。
[参考]
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