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Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #15

2024年04月08日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • 1.[Infra]
  • 2.[DeFi]
  • 3.[Games]
  • 4.[Tools]
  • 5.[CeFi]
  • 6.[Social]
  • 7.[NFT]
  • 8.[その他]

前提

本シリーズでは、どのようなWeb3.0関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、その最新の傾向とパターンを解説します。今回の#15では、2024年3月30日から2024年4月5日にかけての資金調達活動を調査し、どのカテゴリーが最も注目を集め、どのような特徴が見られるのかを分析しています。
※本レポートでは当該期間中のトレンドのみを取り上げて解説します。各プロジェクト概要は添付リストの概要欄及び参照URLをご参考ください。

【要旨】#15_資金調達の潮流|新興DePIN経済圏の開発促進

※グラフ記載の$_Mは当該期間中の調達合計、(_cases)は調達したプロジェクト件数を表しています。なお、資金調達報告は確認されているものの調達額が公開されていない場合は、ケースとしてカウントしてはいますが、調達額の計算には含んではいません。
上記スライドは、「直近1週間」「2024年度」そして「2014年以降」の資金調達総額の推移をグラフで示したものです。
「直近1週間」
直近一週間は、計214.85M、38件の資金調達ラウンドを確認しています。中でもインフラセクター、特にDePINプロジェクト「IoTex」による大規模な資金調達が注目を集める結果となりました。次いで、DeFi、ゲーム、ツール関連のプロジェクトが資金を集めています。

一方で、Farcasterを利用したWarpcastや$DEGENにより注目を浴びたDeSocial分野に属するLensプロトコルを基にしたミームコイン「Bonsai」(開発元:MadFi)が資金調達を行い、ミームコインブームにのる形で取引を活発化させています。

【関連レポート】
各セクターの調達額と大まかな内訳は、以下のツリーマップをご確認ください。

「2024年度」

「2024年度」における資金調達の状況は、約$2.71Bに達し、合計で454件の事例が記録されています。この中でも、インフラストラクチャー関連のプロジェクトが資金集めにおいて最も盛んであり、その後を中央集権型金融(CeFi)、Gamesが追っています。

次節以降は各セクターごとの「①傾向分析」「②投資家(VC)-プロジェクト-カテゴリー間の出資フロー分析」および、「③各プロジェクトの概要紹介」を行なっていきます。
調査期間中に観測されたほぼ全ての資金調達事例を網羅しており、内容が非常に豊富です。全体を読むのが難しい場合は、特に関心のある分野に焦点を当てて読むことを推奨します。

1.[Infra]

上グラフは24年度1月1日以降、調査時点までのInfraセクターの資金調達累積額の推移を表しています。#15の調査時点では累計$1,274.2M、164件の資金調達を確認しています。中でも、モジュラーブロックチェーンに関連する資金調達が最も盛んであり、その後にLayer1、Layer2が続く結果となりました。
当該期間の内訳は上スライドの通り、DePINに対する出資、特にIoTexによる$50Mの資金調達が際立っています。IoTeX然りですが、#14で掲載したpeaq(24年3月27日、$15M調達)も同じくDePINプロジェクト(IoT経済圏)のためのブロックチェーンを開発しており、ここ最近はEthereum、Solana、Polygonといった既存のDePIN経済圏とは異なる新興DePIN経済圏に対しても、資金と開発努力が向けられていることがわかります。

このほか、Animoca Brands、Laser Digital、Multicoin等が参加したBurnt(XION)によるシリーズAラウンド$25Mの資金調達など、昨今のトレンドを反映したモジュラーブロックチェーンへの出資を確認しています。
Animoca Brandsについては、以下のレポートにて最近のゲームセクターへの出資トレンドを解説しています。今回のBurntはいわゆるWeb3のUXを改善するプロジェクトですが、今回の出資先のようにAnimocaはWeb3ゲームを含むWeb3環境(UI/UX)をよりよくするインフラプロジェクトへの出資に積極的なVCです。以下のレポートと併せてご参考いただくことで、Animoca Brandsへの理解が深まるかと思います。
※関連レポート:Web3ゲーム × Animoca Brandsの投資風景|Jan,2024-Mar,2024

投資家-プロジェクト間の出資フローは以下のスライドを参考ください。
※各プロジェクトの概要は下記添付リスト及び文末の参照URLをご参考ください。

DePIN

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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。