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Ethereumのレイヤー2のインターオペラビリティ 流動性断片化は将来的にどのように解決されるか

2024年03月04日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • 流動性断片化はなぜ大きな課題か
  • Ethereumコミュニティで提案:Based Rollup
  • PolygonのAggLayer 
  • Optimismが提唱するSuperChain
  • 総括

前提

本レポートでは、Ethereumのレイヤー2間の流動性断片化は将来的にどのように解決されるかについて現時点での動向を纏めます。
Ethereumのレイヤー2は2023年から継続的に成長しています。定量的観点ではTVL・トランザクション数などいずれも上昇トレンドで、定性的なエコシステムの盛り上がり具合でもレイヤー2はますます活発になるでしょう。
https://dune.com/niftytable/rollup-economics
しかしながらEthereumのレイヤー2にはまだいくつか課題が残されています。シーケンサーが分散化されておらず検閲リスクがあること、加えてレイヤー2間の相互互換性の問題です。今回は主に後者に焦点を当てます。
レイヤー2間の相互運用性は大きな課題であり、エコシステム全体としてこれに対してどのような解決策が考案されているかを解説します。筆者の見立ててでは、恐らくこの問題は2024年中に解決されることは難しいものの解決策の種は現れて、2025年には少しずつソリューションが市場に投入・限定的な浸透をし始められると感じています。
今回はその潜在的な解決策を概観していきます。

流動性断片化はなぜ大きな課題か

現在はレイヤー2が数多く立ち上がっても、それらレイヤー2の間でクロスチェーントランザクションは実行できず、流動性が断片化してしまっています。この事象は様々な場面でエコシステムの成長のボトルネックとなっています。例えば、高速な取引が可能になったのにも関わらず、CEXに対するDEXの取引ボリュームがごくわずか(The Blockによると2024年3月時点で6.1%)なのは流動性が断片化して有効な取引場所として機能していないからです。

https://www.theblock.co/data/decentralized-finance/dex-non-custodial/dex-to-cex-spot-trade-volume

基本的に暗号資産の取引市場で日々の価格決定傾向として、まず取引ボリュームの多いBinance上でまず価格が先に動き、その他の取引所やDEX上でそれをフォローする裁定取引で価格が概ね平準化されます。大口取引はDEXなどで実行できないためです。DEXのユーザーエクスペリエンスは向上しつつありますが、この流動性の低さが解消されない限り、暗号資産取引(少なくとも現物取引)においてDEXが主流になることはありません。
そしてDEX全体で流動性の低さの要因は、流動性の断片化にあって、各レイヤー2でクロスチェーントランザクションの実行が容易になって、それを土台にしたアグリゲータープロジェクトが生まれて流動性を集合して使えることになれば、CEXの有力な代替手段になる可能性があります。
このためレイヤー2間の流動性の共有化は、レイヤー2の存在感を大きく高めるために将来的に重要なマイルストーンです。この本質的解決には、独自規格のトークンなどをミント・バーンするような形式のブリッジではない、フレームワークレベルでの相互互換性が必要になります。次節より現時点で検討されている方法を列挙します。
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