プログレッシブ・オーナーシップ 既存のエアドロップカルチャーとその課題を考察する
2023年11月25日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- 既存のエアドロップカルチャーの問題点は何か?
- プログレッシブ・オーナシップの概要
- 考察:プログレッシブ・オーナシップは最良の選択肢なのか?
- 総括
前提
ブロックチェーン、もしくはブロックチェーン上のアプリケーション(dApps)がトークンを発行して配布する方法は、これまで様々な方法が試行錯誤されてきました。その中心的なものには、PoWなどのマイニング、ICO、エアドロップが挙げられるでしょう。
特にアプリケーションがトークンを配布する方法としては、エアドロップが最もポピュラーな方法として定着しています。しかし、その方法にはいくつかの課題が挙げられ、それを改善しようとする試みが「プログレッシブ・オーナシップ」の概念です。
本レポートの内容、およびプログレッシブ・オーナシップは、Variantがブログで公開した「Progressive Ownership: A Model for Application Tokens」を参考・出典としています。
上記のブログは、漸進的(一気にではなく順を追って少しずつ)に分散化を図るProgressive Decentralizationを達成していくためのノウハウを提案しているものになります。
Progressive Decentralizationは、ブロックチェーン上のdAppsがどのような過程を経て分散化していけばよいのかを考察していますが、その要素には、
- プロダクト・マーケット・フィット(PMF)
- コミュニティへの参加
- 十分な分散化(コミュニティの所有権)
といったコンポーネントが提示されています。
このようにシンプルにまとめると簡単そうに見えますが、そのハードルを超えることができないプロダクトがほとんどを占めるのが現実です。
では、どのようにして漸進的にアプリケーションを分散化すればよいのでしょうか?そして、新たな問題は何なのでしょうか(そもそも、分散化の程度については議論の余地があります)。
しかし、「実際にdAppsが分散化するとなったらどういった方法がベストでなくともベターなのか?」といった問いは考えておいても良いはずです。少なくとも既存のレトロアクティブ(過去の貢献を評価)な配布方法が唯一の選択肢では無いはずです。
このレポートは、既存のエアドロップカルチャーの何が問題点だと考えられるか振り返り、プログレッシブ・オーナシップへの理解を通じて、アプリケーションが分散化を図る上での課題となる要素に対して読者が理解を深める情報を提供します。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。