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Espresso Shared Sequencerの技術概要とロールアップが採用する可能性に関する考察

2023年10月23日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • Espressoの概要
    • Espressoのアーキテクチャを理解する
    • Espressoのコンポーネント:HotshotとTiramisu 
  • EspressoのShared Sequencerネットワークの現状
  • 考察:Shared Sequencerの採用は進むのか?
  • 総括

前提

本レポートでは、Shared Sequencer(共有シーケンサー)ネットワークを開発するEspressoの概要、Ethereumの各L2(ロールアップ)とのパートナーシップの現状について解説します。
Shared Sequencerとは、主にロールアップと接続し、ロールアップのスケーラビリティを犠牲にすることなく、セキュリティや相互運用性の強化、MEVによる負の外部性の軽減、L1のバリデーターとの長期的経済インセンティブの調整を可能にすることを目的に設計された分散型ネットワークです。
以下の関連レポートでは、その概要について解説しています。併せてご覧いただくことでEspressoの概要をより深く理解することに役立つでしょう。
ではなぜ、Shared Sequencerが重要なのでしょうか?
シーケンサーとは、ロールアップにおいて主にトランザクションの順序決定が役割のエンティティですが、現状では各ロールアップが独自にシーケンサーを運営しています。これを分散型と対比して集中型シーケンサーと呼称されます。
集中型シーケンサーは高性能にすることができ、ユーザーに高スループット、低遅延、即時ファイナリティといったメリットを提供することが可能です。
しかし、将来的にロールアップに対する需要が増大すれば以下のような懸念が問題視されることが想定されます。 
  1. シーケンサーが障害点になること
  2. 各ロールアップがサイロ化しクロスチェーンで流動性を高める障壁になる
  3. 収益性を高めるためにMEVを得ようとする動機づけが与えられ負の外部性を生む
Shared Sequencerは、上記の懸念を軽減しつつ、公正なブロックチェーンネットワークにおける資産の移動と分散化による安全性や持続性を実現することを目指すインフラストラクチャです。
これはEthereumにおけるロールアップ中心の開発ビジョンと整合するものであり、将来的にロールアップでのアクティビティを活性化する上で欠かせない要素となることが期待されています。

また、Ethereumのトランザクションアクティビティは徐々にロールアップにその中心を移行させてきています。今後この流れは不可逆なものとしてさらに拡大していくことが予想でき、そうなれば現状のロールアップの課題を改善する意識は高まると考えられます。

https://l2beat.com/scaling/activity
このレポートでは、そのような領域でリーディングプロジェクトとして様々なロールアップとパートナーシップを築いているEspressoを取り上げ、現状を明らかにすることを試みます。
読者はこのレポートを通じて、Espressoが構築するShared Sequencerの技術概要の把握、将来的なShared Sequencerの採用にあたってのポテンシャルについて理解を深めることができるはずです。

Espresso Shared Sequencer 基本リンク
  1. 公式サイト:https://www.espressosys.com/
  2. ドキュメント:https://docs.espressosys.com/sequencer/espresso-sequencer-architecture/readme
  3. ホワイトペーパー:https://github.com/EspressoSystems/HotShot/blob/develop/docs/espresso-sequencer-paper.pdf
  4. Github:https://github.com/EspressoSystems
  5. X:https://twitter.com/EspressoSys
  6. Discord:https://discord.com/invite/YHZPk5dbcq
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