Bondメカニズムと(3,3)メカニズムのエコノミクス
2022年02月13日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- Bondメカニズムとトレジャリー
- (3,3)メカニズムとインセンティブ設計
- 総論
前提
OlympusDAOのフォークプロジェクトが乱立したことや、Andre Cronjeが新しくリリースしたプロトコルSolidlyでもveTokenメカニズムと(3,3)メカニズムを組み合わせて導入されました。この事からBond(債権)メカニズムおよび(3,3)メカニズムが注目され、各方面でその作用について解明が進みつつあります。
BondメカニズムはDAOのトレジャリーにおいて資金調達をする方法であり、トークンの新規発行による売り圧力を軽減することや、トレジャリーの成長に伴って定期的にトークンを売却することで安定した収入源となります。
また、(3,3)メカニズムはBondによるトレジャリーの成長を享受するにはステークをしなければトークンの価値が希薄化するという負のインセンティブを付与することで、多くのトークンホルダーがステークをすることとなり浮動トークンは少なくなります。その効果として売り圧力が減少するというものです。
よく誤解をされる(3,3)メカニズムの仕組みは、すべての主体がステークをすればトークンを売る人がいなくなるのでトークンの価格は下がりにくくなる。すなわち、全主体で協力してステークをし、抜け駆けてトークンの売却は許さないということは「先に売り抜けた方が利益は大きくなるインセンティブがある騙しあいのゲーム」です。(いわゆるWAGAMIや絆などと揶揄されているものです。)
ここには大きな誤解があり、(3,3)メカニズムは直接配当を行うのではなく、Rebaseの仕組みを利用して間接的に配当をすることで、ステークをしなければトレジャリーのシェアが希薄化するという負のインセンティブにより、ステークをした方がしないよりも有利になるという真逆のゲームになっている点です。
本レポートではBondメカニズムと(3,3)メカニズムのエコノミクスを解説し、その仕組みと効果について解説をしていきます。
なお、本レポートは事前に下記レポートをご覧いただくと理解が深まります。
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